データ寡占防止に限界も 公取委報告書、海外と温度差
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公正取引委員会が31日に示した巨大IT(情報技術)企業の調査報告書は、プラットフォーマーと呼ばれるIT大手の規制に道筋をつけつつ、データ寡占の防止策には限界も示した。データの集中はIT大手の力の源泉だが、規制対象にする条件が厳しく実効性に疑問も浮かぶ。米グーグルなどの分割論や監視組織の設立まで検討する海外との温度差も際立つ。
報告書は独占禁止法違反の恐れがある行為を、「競合の排除」「取引先の自由の...
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データ資源は21世紀の「新たな石油」といわれる。企業や国の競争力を高め、世界の経済成長の原動力となる。一方、膨大なデータを独占するIT(情報技術)企業への富と力の集中や、人工知能(AI)のデータ分析が人の行動を支配するリスクなど人類が初めて直面する問題も生んだ。
連載企画「データの世紀」とネット社会を巡る一連の調査報道は、大きな可能性と課題をともにはらむデータエコノミーの最前線を追いかけている。
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