三菱重、中期計画を下方修正 直轄で事業開発

2019/10/31 19:44
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三菱重工業は31日、2020年度までの事業計画を下方修正すると発表した。売上高を5兆円から4兆7千億円、純利益を1700億円から1500億円に引き下げた。依然ガスタービンなどの電力関連に依存し、航空機事業が重荷になる構造が続いている。泉沢清次社長は「(社長)直轄で事業開発に取り組む部門の設置を検討している」と語り、環境関連など新事業育成を急ぐ。

決算会見で説明する三菱重工の泉沢社長

中期の事業計画の下方修正はM&A(合併・買収)による上積みの修正に加え、機械関連事業の市況悪化を盛り込んだことが主因だ。「楽観的な状況にはなく、少し成長投資から固定費削減の項目にいくという見直しをした」と小口正範副社長は説明した。

同日発表した2019年4~9月期決算は売上高が前年同期比横ばいの1兆8776億円。純利益が8%増の292億円だった。売り上げに占める電力などのパワー関連の比率は36%から38%に高まった。二酸化炭素(CO2)を排出する火力関連にはダイベストメント(投資撤退)の逆風が強まる中で、環境関連など事業構造の転換が必要になっている。

事業計画では成長戦略として、電力関連事業で水素を使ったり混焼したりして高効率にしたガスタービンなどの設備を強化する方針を掲げた。機械関連ではリチウムイオン電池搭載フォークリフトや電気自動車(EV)向けターボなどの生産を増やし、電動化や自動化シフトを進める。

電力、インフラ、機械、航空防衛・宇宙、造船といった既存の重工業が中心のポートフォリオとはいえ、今後はオープンイノベーションの拠点活用による協業やスタートアップ投資を進める。

一方、頭痛の種になっている開発中の旅客機スペースジェット(旧MRJ)については2020年半ばの初号機納入が難航し、6度目の延期で調整している。

泉沢社長は「試験機の開発が遅れており、スケジュールを見直している」と表明した。最終形となる試験機の開発完了も年明けになる見通しを示した。傘下の三菱航空機(愛知県豊山町)は同日、契約中の米航空会社から100機の受注キャンセルが発生したと発表。事業の早期採算確保は厳しくなっている。

(渡辺直樹)

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