ユーロ圏GDP、前期比年率0.8%増 7~9月
貿易摩擦・英離脱響く

2019/10/31 19:00
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【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)統計局が31日発表した7~9月期のユーロ圏の域内総生産(GDP)速報値は、物価変動を除いた実質で前期比0.2%増にとどまった。年率換算で同0.8%増でいずれも4~6月期から横ばい。ユーロ圏景気が足踏みしている現状を映した。

米中の貿易摩擦などを背景にドイツを中心に輸出が落ち込み、生産にも影響が波及しつつある。底堅い雇用が消費を支えているが、英国の欧州連合(EU)離脱などへの不安から企業が採用に慎重になっているとの見方もあり、先行きは不透明感が増してきた。

「米中の貿易摩擦が重くのしかかり、英離脱の不確実性もある」。欧州化学最大手の独BASFは24日、7~9月期が減収減益だったと発表し、ブルーダーミュラー社長は危機感をあらわにした。独Ifo経済研究所が25日公表した10月の独企業景況感指数は前月比横ばいで2012年並みの低水準圏に沈んだままだ。

英調査会社IHSマークイットが公表したユーロ圏の10月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)は50.2と、景気判断の節目となる50をやや上回る程度で、13年以来の低水準が続く。とりわけ製造業は2月以降、50を下回り続けている。

不振の理由は米中対立などを背景とした世界の貿易の低迷だ。ユーロ圏経済を引っ張るドイツは域内の3割のGDPを生み出す。輸出依存度が高いのが特徴で、貿易の低迷が独経済を直撃した形だ。外需の落ち込みは生産に及んでおり、7~9月期のユーロ圏の鉱工業生産は4~6月期に続き、前期比マイナスになった公算が大きい。

ユーロ圏経済を踏みとどまらせているのが好調な雇用だ。31日公表された9月の失業率は7.5%と08年並みの低水準にある。企業が人手を確保するために待遇を改善していることが、消費意欲の喚起につながっている。

ただPMIの雇用指数は15年1月以来の低水準に落ち込み、企業は採用に慎重になっている。30日発表された10月の独失業者数は前月比6千人増で市場予測の2千~3千人増を上回った。賃金や雇用で企業の消極姿勢が広がれば、消費への影響は避けられない。

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