台湾、2.91%成長 7~9月、半導体投資が寄与
総統選へ蔡氏に追い風

貿易摩擦
2019/10/31 20:55
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【台北=伊原健作】台湾の行政院主計総処は31日、2019年7~9月期の実質経済成長率(速報値)が前年同期比2.91%だったと発表した。8月時点の予想を0.24ポイント上回った。半導体市況の底入れで関連企業の投資が増え、米中貿易摩擦による中国から台湾への生産シフトの動きも寄与。20年1月の総統選で再選を目指す蔡英文(ツァイ・インウェン)総統に追い風となる。

台湾の蔡英文総統は来年1月の総統選に向け経済での成果を誇示する(10日、台北市)

四半期の成長率は18年10~12月期(1.8%)を底に3四半期連続で改善した。19年7~9月期の前期比年率(季節調整済み)の成長率は4.51%だった。

設備投資などを含む資本形成が予想を0.23ポイント上回った。台湾積体電路製造(TSMC)など半導体大手の投資が活発化した。また主計総処の陳雅●(たまへんに攵)専門委員は同日の会見で「台湾での生産比率上昇も大きかった」とし、輸入が減り貿易収支のバランスが改善したことが寄与したと強調した。

台湾は米アップルなど世界IT(情報技術)大手の機器生産を担う企業が集積し、多くは中国生産が主体だ。ただ18年後半からは米の対中輸入関税引き上げの対象となった通信機器などの生産を台湾に回帰する動きが強まる。部品や部材などが台湾で調達しやすくなり、輸入が減り貿易のバランスが改善した。

経済の脱・中国依存を目指す蔡政権は米中摩擦を好機とみて、台湾への投資回帰を促す補助金などの政策を打ち出す。年初から10月中旬までの投資申請の総額は6158億台湾ドル(約2兆2000億円)に達し、今後投資実行が本格化すれば経済への恩恵が広がりそうだ。

総統選の世論調査では蔡氏の支持率は対中融和路線の野党・国民党の韓国瑜・高雄市長を軒並み大きく上回っている。統一を目指す中国への警戒感の高まりが主因だが、経済が堅調なことも下支えしている。中国側は台湾への個人旅行を停止するなど、経済での圧力を強めている。

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