政治広告は是か非か 米ネット大手、対応分かれる

2019/10/31 21:00
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【シリコンバレー=奥平和行】米大統領選を約1年後に控え、米国のインターネット企業の間で政治広告の掲載を見直す動きが出てきた。ツイッターが全面的に取りやめる方針を決める一方、フェイスブックは透明性を高めながら継続する。中止、継続のいずれも課題があり、各社は難しいかじ取りを迫られている。

ツイッターのロゴマーク=AP

ツイッターのロゴマーク=AP

「政治的なメッセージをお金の力で拡散すべきではない。まず一人ひとりが判断し、その結果として広がっていくのが好ましい」。ツイッターのジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)は30日、こうツイートして11月22日から政治広告の掲載を取りやめる考えを示した。

背景にあるのは「ソーシャルメディアが選挙をゆがめる」との批判だ。ソーシャルメディアは利用者の書き込みなどを分析し、一人ひとりの詳細な「プロフィル」をつくれる。この情報は広告の効果を高めるのに活用できるが、2016年の大統領選では投票先を決めていない有権者の狙い撃ちや深層心理に訴えかける広告が問題視された。

既に多くのフォロワーを抱える現職候補が有利になるとの指摘があるものの、ツイッターは全面禁止という抜本策で問題を防ぎたい考えだ。一方、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは候補者ごとの広告に投下した費用を明示するなど透明性を高めながら続ける意向だ。表現の自由や知る権利を守るために政治広告は必要と考えるからだ。

だが、同氏への批判は厳しさを増している。23日の米下院の公聴会では議員から「金もうけのために続けている」などといった声が上がり、内容を審査しないことも非難された。30日には「政治広告は来年の売上高の0.5%未満にすぎない」と説明し、私企業に政治家の発言を検閲する権限はないと述べた。

ただ、これで理解が得られるか微妙だ。議員の反発に加え、米紙ニューヨーク・タイムズによると身内である社員の一部も政治広告の再考を求める書簡を送った。「一時的に不人気でも正しいと信じることをやるのが利用者や事業のためになる」。ザッカーバーグ氏はこう話すが、政治の季節を迎える米国で理想主義を貫けるかは不透明だ。

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