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業績ニュース

製薬大手3社とも上方修正 今期、コスト削減進む 主力品も好調

企業決算
2019/10/31 21:30
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国内の製薬大手3社が31日、2020年3月期の業績見通し(国際会計基準)をそろって上方修正した。武田薬品工業の最終損益は2730億円の赤字(前期は1091億円の黒字)と赤字幅が約950億円縮小、アステラス製薬第一三共も最終減益幅が縮む。利益率の高い主力品が好調なのに加えてコスト削減が寄与しており、営業利益率の改善が鮮明になった。

第一三共の純利益は4%減の900億円と従来予想の720億円から上ぶれる。高齢者の服薬負担を軽減する抗凝固剤「エドキサバン」が日欧で伸び、売上高にあたる売上収益が3%増の9550億円と150億円上方修正した。

提携効果も寄与する。3月に抗がん剤候補「DS-8201」の開発・販売で提携したアストラゼネカと研究開発費を折半したため、期初時点で2250億円と見込んだ研究開発費が150億円減った。

アステラスも主力品が好調だった。前立腺がん治療薬「イクスタンジ」は適応症の拡大で通期の売上見通しを3839億円と期初から約200億円上方修正した。骨粗しょう症治療薬「イベニティ」など国内の製品の売上高も約600億円と150億円上振れる。

その結果、純利益は6%減の2100億円と、従来予想から減益幅が280億円縮小する。アステラスは同日、500億円を上限とする自社株買いを発表した。発行済み株式総数(自己株式を除く)の1.7%に相当する3200万株を取得し、全て消却する予定だ。

各社が上方修正したのは主力薬の伸びだけでなく、コスト削減の効果も大きい。武田はアイルランド製薬大手シャイアーの買収以降進める拠点やシステムの統合効果を予想に織り込み、本業のもうけを示す「コア営業利益」を2倍の9300億円と200億円上乗せした。スイスの税制改正に伴い、繰り延べ税金資産を積み増し税負担が減ったため最終損益の改善幅が3社で最大になった。

各社とも売上高営業利益率の改善傾向が鮮明になっている。前期と今期で売上高営業利益率(武田のみコア営業利益率)を比べると、2~6ポイント改善した。特に統合効果を織り込んだ武田は6.6ポイント改善した。

製薬大手は主力薬の特許が切れた際に売り上げが大きく低下する「パテントクリフ」が悩みの種だ。研究開発の難易度も高まり、売上高を大きく増やしにくい環境になっている。武田は外国為替市場での円高もあり、今期の売上収益を400億円下方修正した。

各社は画期的な新薬を生み収益につなげようとする傍ら、利益率の改善による筋肉質な経営を目指している。武田のコスタ・サルウコス最高財務責任者は「利益率を高めれば、特許切れや競合拡大などの逆風に耐えることができる」と話す。

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