三菱重、旅客機100機契約解消 計画も見直し

自動車・機械
2019/10/31 18:16
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三菱重工業は31日、開発中の民間旅客機「スペースジェット(旧MRJ)」で米社と結んでいた最大100機の受注契約でキャンセルがあったと発表した。2020年半ばに初号機を納入する計画だが、6度目の延期に踏み切る方向で調整しており、同日開いた決算記者会見で泉沢清次社長は「試験機の開発が遅れており、スケジュールを見直している」と話した。

契約を解消したのは米地域航空会社のトランス・ステーツ・ホールディングス。受注ベースで米スカイウェストの200機に次ぐ2番目の規模だった。契約キャンセルは18年1月の米イースタン航空以来2回目。

今回、キャンセルとなったのは三菱重工傘下の三菱航空機(愛知県豊山町)が開発中の90席クラスの機体。当初は席数制限の規制緩和をにらみ契約していたが、規制を満たさない可能性が高まったためだ。規制を満たす70席クラスへの転換条項も契約に盛り込まれていたが、契約は仕切り直しとなった。

スペースジェットの受注契約はこれまで購入意思を含み最大407機。これとは別に受注が確定していないメサ航空などを除くと、307機まで減ることになる。三菱重工はすでに6000億円超の開発費を投じており、採算確保に向け打撃は大きい。

スペースジェットは08年3月にMRJとして事業を開始し、当初は13年の納入を予定していた。外国人技術者の投入やスペースジェットへの名称変更などでテコ入れを図り、商用飛行に必要な型式証明(TC)取得作業を国土交通省と進めているが難航している。

最終形態となる試験機の完成は当初6月ごろを予定していたが、配線の不具合などで遅れており、泉沢社長は「年明けになる」との見通しを示した。三菱重工は専門家に開発計画の再精査を依頼しており、今後は延期スケジュールの調整に入る。

三菱重工が同日発表した19年4~9月期連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比8%増の292億円だった。スペースジェットの開発費が大幅に縮小し、採算が改善した。

売上高は微増の1兆8776億円だった。原子力事業や自動車部品がふるわなかった一方、火力発電機器や航空機部品が好調だった。20年3月期通期の見通しは据え置いた。純利益は為替差益がなくなる点を織り込み、前期比微減の1100億円としている。

あわせて21年3月期までの事業計画の利益水準を下方修正した。本業のもうけを示す事業利益を今期見通し比36%増の3000億円と400億円引き下げた。同日会見した小口正範副社長は「見込んでいたM&A(合併・買収)を取りやめ、産業部門の事業環境を反映した」と話した。

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