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ハンド角南唯、中軸の自覚 本場欧州で武者修行

Tokyo2020
2019/10/31 17:28
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11月30日から熊本県で女子ハンドボールの世界選手権が開催される。日本代表は2年前のドイツ大会で16強入り、強豪と互角に渡り合い世界を驚かせた。ホスト国として臨む今回、攻守の中心として期待されるのが28歳の角南唯(すなみ・ゆい、北国銀行)。ハンド大国デンマークの1部リーグ挑戦でひと回り大きくなったサウスポーは「チームが苦しいときこそ、自分が引っ張りたい」と自覚も十分に五輪前哨戦の舞台に立つ。

夏以降、日本代表は度々欧州に遠征して強化に励んでいる。試合を重ねるなかで、角南が感じていることがある。「チームも自分もすごく研究されている」。転機は2年前の世界選手権だ。

2年前の世界選手権では大車輪の活躍をみせた=日本ハンドボール協会提供/Yukihito TAGUCHI) 

2年前の世界選手権では大車輪の活躍をみせた=日本ハンドボール協会提供/Yukihito TAGUCHI) 

この大会では1次リーグでモンテネグロ(2012年ロンドン五輪2位)から金星を挙げ、ブラジル(13年世界選手権優勝)と引き分け、ロシア(16年リオデジャネイロ五輪優勝)とも1点差負けと接戦を演じた。決勝トーナメント1回戦で最終的に3位になるオランダに延長の末に敗れたが、8強は目前だった。

世界の日本を見る目が変わる中、大車輪の活躍を見せたのが角南だ。全試合に先発し、ブラジル戦とロシア戦は各6得点。そのプレーぶりが本場欧州のクラブの目に留まり、大会後に5カ国ほどのクラブからオファーが届いた。「それまで海外志向もオファーも全くなかったので、テンションが上がりました」

相手ディエンスの間を切り裂くフェイントが得意=日本ハンドボール協会提供/Yukihito TAGUCHI) 

相手ディエンスの間を切り裂くフェイントが得意=日本ハンドボール協会提供/Yukihito TAGUCHI) 

選んだのはデンマークリーグ屈指の強豪、ニューコビン。デンマークは04年アテネまで五輪3連覇し、日本代表のウルリック・キルケリー監督の母国でもある。チームに池原綾香(29)がいたことも背中を押した。

地元岡山で競技を始め、大阪・四天王寺高、大阪体育大、北国銀行(日本リーグ5連覇中)と名門を歩んできた角南だが、各国代表クラスが何人もいるチームで最初は気後れしたという。一番驚いたのは選手たちの自己主張の強さ。自分より年下の選手が周りに要求し、監督へも自分の意見をはっきり言う。「言葉の壁があって、自分はなかなか言いたいことを伝えられなかった」

それでも右バックの先発の座を確保し、リーグ戦とカップ戦でシーズンを通して約50試合に出場。練習も試合もレベルの高い環境の中で学ぶことは多かった。プレースタイルもその一つだ。

角南は自他ともに認めるアシストタイプ。低く深いフェイントで守備を切り裂く1対1を得意とする。ただ、シュートの怖さがなければ相手にも引いて守られ、フェイントも利きずらくなる。162センチの身長はバックプレーヤーとしてはかなり小柄だが、「もっとシュートを打たなければダメだと気づかされた」とクイックシュートやステップシュートを磨いた。

1シーズンだけで帰国したのは「この経験をみんなに伝えたい」と代表の活動を優先したから。そして、日本として44年ぶり出場となり、角南自身は「最初で最後」と位置づける東京五輪を見据えてでもある。

五輪を見据え、活動の拠点を日本に戻した

五輪を見据え、活動の拠点を日本に戻した

変身ぶりは周囲にも伝わっている。副主将の永田しおり(32)は「受け身で一人の時間を好むタイプだったけど、最近はコートの中でも外でも中心にいる。仲間に厳しいことも言うようになった」と信頼を寄せる。

1次リーグからロシア、スウェーデンら強豪とぶつかるが、「全部勝つつもりでいく。前回より1つ上と言わず、メダルを狙うつもりでいきたい」と角南。世界の警戒網を突破するには、この細身の左腕の活躍が欠かせない。

(山口大介)

世界選手権、妹・果帆とのコンビも
 世界選手権の代表メンバーは11月12日に発表される。9月の欧州遠征で左膝に重傷を負った司令塔役のセンター、横嶋彩(29)が絶望となったのが痛い。また、前回大会のチーム得点王でデンマークでプレーする右サイドの池原も、1月に負った右膝大けがのリハビリ中で選出は難しそうだ。
 右バックの角南からすると、左右両隣の頼れるプレーヤーが不在となる格好だが、ポストには妹の果帆(26)がいる。サッカーのポスト役と同様に相手選手を背負いながら、味方のシュートコースをつくったり、ラストパスを受けて得点したりする役回りだ。ポストやサイドとのコンビプレーを得意とする角南も「妹とは息を合わせやすい。一緒に出たい」と期待している。

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