北朝鮮が飛翔体発射 日本海向け2発、弾道ミサイルか

2019/10/31 16:59 (2019/10/31 20:09更新)
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【ソウル=恩地洋介】韓国軍合同参謀本部は31日、北朝鮮が同日午後4時35分ごろ、中部の平安南道・順川(スンチョン)付近から日本海に向け飛翔(ひしょう)体を2発発射したと発表した。飛行距離は最大約370キロメートル、高度は約90キロメートルだった。日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下したとみられる。河野太郎防衛相は短距離弾道ミサイルとの見方を示した。

北朝鮮による飛翔体発射は10月2日に潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を撃って以来。今年5月以降では12回目となる。

北朝鮮は飛翔(ひしょう)体の発射を繰り返してきた(9月10日に発表された発射実験の写真)=朝鮮中央通信・ロイター

北朝鮮は飛翔(ひしょう)体の発射を繰り返してきた(9月10日に発表された発射実験の写真)=朝鮮中央通信・ロイター

安倍晋三首相は31日夕、記者団に「日本と地域の平和と安全を脅かすもので、強く非難する」と強調。「北朝鮮の目的がミサイル技術の向上にあることは明らか。安全保障上の警戒監視を強める必要がある」と語った。河野防衛相は「国連安全保障理事会の決議に違反している」と記者団に述べた。政府は北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に抗議した。

韓国の聯合ニュースは米韓軍当局の分析として、飛翔体は大型ロケット砲や地対地ミサイルの可能性があると報じた。北朝鮮メディアは金正恩(キム・ジョンウン)委員長が9月10日に「超大型ロケット砲」の発射実験を視察した際に「今後は連射実験だけをすればよい」と語ったと伝えていた。今回はこの連射実験だった可能性もある。

北朝鮮メディアは31日夜の時点で飛翔体について報じていない。今回の発射は韓国に対する示威行動との見方がある。韓国軍は28日から定例の軍事演習に入っている。11月8日までの間、北朝鮮からの攻撃を想定して陸海空軍の合同上陸訓練や合同防空訓練を実施する予定だ。

7月下旬以降に短距離弾道ミサイルなどの発射を繰り返した北朝鮮には、非核化交渉の再開をにらみ米国をけん制する狙いもあった。特に10月2日のSLBM発射は、3日後にストックホルムで開かれた米朝実務者協議を控え、米国側に圧力をかけようとしたのは明らかだった。

5日の米朝協議は結局、北朝鮮側が一方的な決裂を宣言し、米国に対して年末までに譲歩するよう迫った。今回の飛翔体発射についても、北朝鮮が自ら設定した年末の期限を念頭に危機を演出する対米戦略の一環であるとの分析がある。

27日には今年2月まで米朝交渉に携わった金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長が談話で、米政府高官が北朝鮮を敵視する政策にこだわっていると指摘し「朝米関係の維持にも限界がある」と主張していた。

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