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ヤフー、データ事業を第4の柱に 企業や自治体に提供

Zホールディングス傘下のヤフーは31日、匿名の統計データを企業や自治体に提供する新事業を始めたと発表した。月間の会員利用者数が約5000万人の各種検索サービスで集まったビッグデータを提供。商品開発や交通の効率化、まちづくりに役立たせる。まず2020年春までに100社・団体への導入を目指す。メディア、ネット通販、フィンテックに続く「第4の柱」に育てる。

「『ペイペイ』と一緒に検索される第2キーワードは『マクドナルド』『すき家』が多い。営業は消費者ニーズが分かるようになる」

ヤフーの川辺健太郎社長は会見で、自社とソフトバンクグループが手掛けるスマホ決済「ペイペイ」の加盟店開拓でのデータ活用を示し、消費者ニーズの把握の重要性を説明した。データ事業について「検索サイトはユーザーのニーズが盛り込まれている。匿名化したデータを開放し、日本を元気にしたい」と強調した。

データソリューション事業として、データ検索ツール「DSインサイト」と、ヤフーがデータ分析で課題解決を提案する「DSアナリシス」の2つのサービスを31日に始めた。検索ツールは担当者がキーワードを入れると年代、地域、性別など、関心の高い統計データがグラフや地図などで表示される。市区町村単位で、リアルタイムで検索の多い言葉もわかる。

検索ツールは1ライセンスで月額10万円、10ライセンスで同50万円で提供する。データを活用した競合分析などは案件ごとに有料で提供する。

ヤフーは2018年から計60以上の企業・自治体と組み、商品開発や需要予測の実証実験を本格化。三越伊勢丹とは子育て世帯の女性の検索キーワードや書き込みの統計データを人工知能(AI)で解析した。消費者ニーズを割り出してロングスカートを開発し、初週の販売数は過去に最も売れた商品の2.6倍となった。

京都市などとは9月から天気、位置の統計データを活用。6カ月先まで日付別に快適に観光できるかどうかの予測サイトを公開した。

ヤフーは検索サイトのほか、質問サイト「Yahoo!知恵袋」、交通の経路検索などがある。10月には新たな通販サイト「ペイペイモール」、個人間取引のサイト「ペイペイフリマ」を立ち上げた。スマホ決済のペイペイとの連携も強め、データ事業の基盤も広げている。

「ユーザープライバシーの保護が第一だ」。川辺社長らが会見で、何度も強調したのが個人情報の保護だった。事業で提供するのは統計データのみで、個人データは提供しない。

ヤフーは6月に信用スコア事業を始めようとしたところ、利用者から批判を受けた経緯がある。信用スコアの作成や自社内での活用について、「同意しない」状態を利用者の初期設定にするなど厳格化した。

10月からグループ企業へのデータ提供を始めたが、同じく初期設定を「同意しない」にしている。新サービスは個人情報の保護を前面に打ち出しながら、日本でビッグデータの利用が広がるかの試金石になる。

(工藤正晃)

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