ウェルスナビやWHILL トップが高める企業価値

2019/11/3 20:05
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企業価値ランキング7位のウェルスナビ(東京・渋谷)はコンピューターで個人の資産運用に助言する「ロボアドバイザー」を手がける。サービス開始から3年たち、利用者は16万人に増えた。

ウェルスナビの柴山和久社長

ウェルスナビの柴山和久社長

「0.01%にすぎない」

新機能を開発し、助言の質を高めている。10月から、相場下落の局面で利用者が冷静さを失わないよう助言するメール機能を付けた。長期保有が資産運用のポイントのひとつだからだ。

柴山和久社長(41)は、現状の預かり資産が2000億円近くとなっても「日本の個人金融資産の0.01%にすぎない」と満足していない。助言サービスを常に進化させる。メールの助言機能では、個人の性格や家族構成に応じて内容を変えることなどに取り組む。

事業が成長している理由について柴山社長は「オープンイノベーションを積極的に進めたこと」と話す。預かり資産の半分はSBI証券、ソニー銀行、イオン銀行など提携先から入ってきた。

「働く世代の豊かな老後をサポートしたい」。経営コンサルタントから転身して2015年に起業したのは、富裕層向けの運用サービスを個人に届けたいとの思いがあった。スマートフォンで6つの質問に答えるだけで、個人のリスク許容度に合った運用プランを提案、自動で取引する。従業員85人の半数を技術者が占め、日々アプリの使い勝手を改良している。

WHILL(横浜市)の杉江理社長

WHILL(横浜市)の杉江理社長

消費者の言葉で火が付く

「コンセプトで出しただけで、実際には売らないんでしょう」

WHILL(横浜市)の杉江理最高経営責任者(CEO、37)が2012年に創業したきっかけは、車椅子利用者のこんな言葉だった。日産自動車を退職後、気ままにモノづくりを楽しむ中でつくった電動車椅子を東京モーターショーに出したときのことだ。起業魂に火が付いた。

14年、最初のモデルを発売した。従来の車椅子では難しかった小さな段差や砂利道といったハードルにも対応できる。「誰もが乗りたいと思えるパーソナルモビリティー」を目指しているため、デザイン性も高い。

杉江CEOは「数年以内に世界のトップ50の空港に導入したい」と語る。大きな空港では、搭乗者は長い距離を移動する。車椅子を使うと回収に人手が必要だが、自動運転機能があれば指定の位置まで戻ってくるためコストを減らせる。まず20年のサービス開始を目指し、航空大手などと連携している。

車椅子の開発だけでなく保険や修理、使える場所の情報提供など、関心は歩道での移動に関することすべてに広がる。「短距離での移動でも不安を抱える人は多い。歩道での移動をまとめて支援したい」。誰もが好きなときに好きな場所へ楽しく移動できる社会が、杉江CEOの描く世界だ。

SmartHRの宮田昇始CEO

SmartHRの宮田昇始CEO

煩雑さをなくしたい

15位のSmartHR(スマートHR、東京・港)はクラウドを通じ、社会保険や雇用に関する社内の手続きを効率化する人事労務ソフトウエアを提供する。宮田昇始最高経営責任者(CEO、35)は「手続きを便利にするだけでなく、蓄積したデータを分析して活用するサービスに力を入れたい」と話す。

スマートHRは2015年にサービスを始めた。入社や年末調整など煩雑な手続きを電子化し、企業の業務効率化をサポートする。当初は小規模企業を対象としていたが、人手不足から最近は従業員千人以上の企業の採用が増えた。

売上高は非開示としているが、宮田CEOは「この1年で3倍強に伸びた」と説明する。顧客対応の人員を増やしたこともあって、サービスの解約率は0・5%と低水準にある。

19年7月、第三者割当増資と新株予約権付社債で約61億5000万円を調達した。企業価値は前回調査から約4倍に伸びた。宮田CEOは調達資金を「広告などマーケティング費用や人件費にあて、先行して市場を押さえたい」と語る。

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