TSテック、車シートでダッシュ センサーでゲーム操作

日経産業新聞
コラム(ビジネス)
2019/11/1 2:00
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NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

ホンダ系のシート大手テイ・エステックはドライバーや乗員の動きを感知・測定できるシートを開発した。シートにセンサーを埋め込み、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」技術と連動する。シートを出入力デバイスと位置づけ、動きからゲーム操作するなど娯楽やヘルスケア用途での応用も見込む。ドライバーの反応速度などから交通事故を防ぐ安全向上にもつなげる。アプリ開発での協業も視野に入れており、シートを多機能化する。

シートにセンサーを埋め込み、座った際の体の動き、力のかかり具合などを検知する。スマホやタブレットとつなぎ、こうした動きを数値化して活用する。

「愛されるシート」と名付けて、シートをデータを出入力するデバイスのように位置づける。人の動きを感知するコントローラーとしてゲームを楽しめるようにする。

例えば、開発中の「緩急走アプリ」はバランス感覚などを座りながら競うゲームだ。「急コース」は腕や足を左右のバランスをとりながら、勢いよく動かすことでゲームのバーチャルランナーが走る。一方、「緩コース」は深呼吸をして、リラックスした状態をつくることで加速する設定にしている。

人の動き、呼吸、心拍などをセンサーで読み取って、シートを介してデータを双方向にやり取りする仕組みを提案する。同シートを開発したプロジェクトリーダーの郭裕之氏は「座ることを楽しんでもらえるようなシート」と説明する。

自動運転、電動化といったCASE時代に対応するシートとアピールする。自動運転で「走る」「曲がる」「止まる」を車両側が制御するようになり、ドライバーを含めた車内空間での時間をどう使うのかがテーマとなる。

加えて、ガソリンエンジン車などと違う課題もある。電気自動車(EV)の給電は、ガソリンの給油や燃料電池車(FCV)の水素充填と比べても比較的に時間がかかる。限られた室内スペースを快適にすごせる技術や用途提案が求められる。

テイ・エステックはクラウドを通じ、スマホアプリなどとシートがスムーズにつながるシステムを想定している。特許も出願中。ランニングアプリ、座禅アプリなども用意している。異業種のメーカーとも組みながら、娯楽にとどまらず、ヘルスケアやスポーツ分野で新たな用途を探る。

安全対策にもつなげる。手や足を動かす反応時間を分析すれば、判断力や認知力を調べられる。測定結果をデータベース化して、年齢や性別などと比べることで、ドライバーの運転特徴を判定できる。高齢ドライバーの事故防止などに役立てる。

(企業報道部 為広剛)

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