棒1本で収納が無限に 社長の自宅は「つっぱり御殿」

収納家具を新たに買い足さなくても、棒1本で収納空間は無限に増やせます。通称「つっぱり棒博士」の竹内香予子さんに、突っ張り棒の活用アイデアを教わりましょう。
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突っ張り棒メーカー平安伸銅工業の社長・竹内香予子さんの自宅に収納家具はほとんどない。代わりに、大小さまざまな突っ張り棒で、機能的かつおしゃれな空間をつくり上げている。約150本の棒で突っ張る「つっぱり御殿」だ。
「突っ張り棒は落ちる……」という心配もあるが、「それは付け方と商品選びが間違っているから。きちんとバネを縮ませて取りつけるだけで、強度が変わります」と竹内さんは語る。
また、軽いものや細かく仕切るには100円均一の品でも問題ないが、「強度が必要な場所には少し値段が上がっても耐荷重の大きい商品を選ぶと、活用の幅が広がります」
【キッチン】

コンロ下の引き出しの上部空間を無駄なく活用。突っ張り棚を渡して、鍋の蓋の定位置に。さっと取り出せる。
引き出しにブックエンドを耐震パッドで固定し、鍋立てに。横に渡した突っ張り棒で、手前への転がりを防ぐ。

ロール式ペーパーの穴に棒を通して、引き出し内に突っ張れば、即席ホルダーに。汚れがつきにくいのもOK。

【洗面室・トイレ】

洗面台の下に2本の突っ張り棒を渡し、かごの縁を引っかけて、タオルやポーチの置き場を作った。天井と床を突っ張る縦の棒(平安伸銅工業のドローアライン)には、専用のトレーやフックを追加。
アクセサリーなどは専用のフックにS字フックを掛け、つるして収納。絡まず、探しやすい。
浴室扉のタオル掛けを増設。壁を傷つけないシールフックに突っ張り棒を渡せば完成。

タンクと壁を棒や棚で突っ張り、掃除道具置き場に。天井付近にはトイレットペーパー置き場とそれを隠すカーテンポールも棒1本で。
【リビング・ダイニングキッチン】


コンロ奥の壁には、ラックタイプの突っ張り棚(平安伸銅工業のスプルース)を設置。よく使う調味料を好みの高さに置けるので、調理がスムーズに。

キッチンカウンターの段の仕切りを増やすために、突っ張り棒2本を渡した上に棚板を載せ、収納力アップ。

窓際にジャッキ式の太い突っ張り棒を渡せば、室内干し空間に。部屋側にもう1本渡しカーテンを通すと、来客時に隠せる。

洗面室同様、トレーなどを好みの高さに自由に追加できるタイプの突っ張り棒をリビングにも。床面積を占めることなく、空間を立体的に使える。

本棚は横に突っ張ると、おしゃれな表紙を見せて飾れる。縦に突っ張ると、本を支えるブックエンドに。木製家具には木目調や黒の棒がマッチする。
【玄関】

突っ張り棒を3本渡せば、上に靴を置いても強度は十分。ブーツはピンチ式ハンガーで挟み、突っ張り棚に下げ形崩れ防止。

マットな質感の突っ張り棒で、玄関にディスプレー空間を。突っ張り棒は鉄製なので、マグネットでポストカードを貼ることも可能。
1 棒を回しながら取りつけるのはNG
正しい突っ張り方は、取りつける前に棒を取りつけ幅より1~2cm長く伸ばし、伸ばした側を壁面に当て、押し縮めながら反対側を水平に押し込む。回して伸ばしながら突っ張ると、バネの反発力が十分発揮されない。
2 バネ式とジャッキ式を使い分ける
バネ式が一般的だが、バネ式よりパイプが太く、ネジで固定してしっかり圧着できるジャッキ式もある。バネ式より高価だが、服を掛けるなど、耐荷重が必要な用途にはおすすめ。
3 「突っ張り棚」で活用の幅が広がる
突っ張り棒を複数本組み合わせたような棚タイプも。ジャッキ式で壁との圧着面も広いので、強度のある棚を手軽に増設できる。幅や奥行きの種類も豊富。

この人に聞きました

(文=日経WOMAN編集部、写真 宮田昌彦 )
[日経ウーマン 2019年7月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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