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貨物船がずさん航行と指摘 周防大島断水事故で安全委

運輸安全委員会は31日、山口県の大島大橋に昨年10月、マルタ船籍の貨物船が衝突し、周防大島町のほぼ全域が約40日間にわたり断水した事故の調査報告書を公表した。ともにインドネシア国籍の船長と航海士は、航行ルートの入念な確認などを定めた安全マニュアルを順守する意識が不足。橋の高さを確認しないまま航海士が航海計画を作成、船長も承認したのが原因としている。

報告書によると、衝突した際、海面から橋まで最も高さのある場所で約33メートル。貨物船はクレーンやマストを備え、海面からの高さは約34~42メートルに達しており、クレーン3基とマストが橋桁にぶつかり、橋桁下の水道管が切断された。

航海計画は、航海士が電子システムによる警告を見落としたり、中国・青島から業務を引き継いだ船長が、それまでの船長による確認が済んだと思い込んだりしたことなどが重なり、橋の高さを考慮しない不十分な内容となっていた。

船長は衝突直前に不安を感じ、航海士に「私は忘れていたが、この橋は高いのか。確認したか」と問い掛けたが、航海士は手元の冊子で詳しい情報を見つけることはできなかった。船長は自分で橋の高さを調べることなく、航海士からの報告を待ち、そのまま航行を続けた。

事故は昨年10月22日午前0時25分ごろ発生。貨物船(2万5431トン)は船長ら乗組員21人がいたが、けが人はいなかった。青島から韓国を経て広島県江田島市に向かう途中だった。安全委は、船を所有するドイツの海運会社に乗組員教育の徹底を、マルタ当局には同社への指導をそれぞれ求める安全勧告を出した。〔共同〕

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