FRBが3連続利下げ 0.25%、先行きは休止示唆

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経済
北米
2019/10/31 3:02 (2019/10/31 6:50更新)
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【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0.25%引き下げ、7月、9月に続く3会合連続の利下げに踏み切った。中国との貿易戦争のリスクを警戒し、金融緩和で景気悪化を未然に防ぐ。ただ、パウエルFRB議長は先行きの金利政策を「適切に見極める」と表現するにとどめ、利下げはいったん打ち止めとの考えをにじませた。

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FOMCは短期金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を、年1.75~2.00%から1.50~1.75%に引き下げた。投票メンバー10人のうち、2人の地区連銀総裁は7月、9月に続いて反対票を投じ、FOMC内の意見は割れたままだ。

3会合連続で利下げに踏み切ったのは、貿易戦争で企業の先行き不安が強まっているためだ。30日に発表した国内総生産(GDP)統計は個人消費が底堅く伸びたものの、設備投資は約4年ぶりのマイナス幅を記録。米経済は拡大局面が続くものの、FRBは景気減速を防ぐ「予防的利下げ」が必要だと判断した。

もっとも「予防的利下げ」は今回で打ち止めとなり、金融政策は再び様子見に転じる可能性がある。FOMCの声明文では今後の政策運営を「政策金利の適切なパスを見極めるため、経済データを引き続き注視していく」と表現するにとどめた。前回9月までの声明文では「成長持続へ適切に行動する」と先行きの利下げを示唆してきたが、今回は同文を削除した。

パウエル議長も30日の記者会見で「経済活動は拡大が続き、政策スタンスは現状が適切だ」と述べ、金融政策の変更を当面見送る考えを示唆した。失業率は3.5%と50年ぶりの水準まで下がっており、これまでの利下げで住宅投資なども持ち直してきた。FRB内には景気失速は当面避けられるとの判断がある。

FRBは1990年代後半にも、グリーンスパン議長時代に「予防的利下げ」に踏み切ったことがあり、当時も利下げ幅は合計0.75%だった。現在は政策金利が既に1%台半ばまで下がっており、現体制も予防的な利下げは小幅にとどめ、景気後退期の政策余地を残す必要があるとみる。

ただ、米景気の先行きはトランプ米政権が仕掛けた貿易戦争次第といえる。中国との「部分合意」に近づくものの、企業心理が持ち直して輸出や設備投資が回復するかは見通しにくい。景気の下振れリスクが強まれば、FRBはさらなる金融緩和を迫られる可能性がある。

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