中国石油3社、原油ガスを増産、米中対立にらむ

2019/10/30 22:15
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【北京=多部田俊輔】中国国有石油大手が原油と天然ガスの増産を進めている。中国石油天然気集団の上場子会社、中国石油天然気(ペトロチャイナ)は1~9月期に前年同期比で5%増やし、中国石油化工集団の上場子会社、中国石油化工(シノペック)は2%増やした。米中対立を受けて石油資源の海外依存率の抑制をめざすが、国内経済の減速で両社の純利益は2割程度落ち込んだ。

中国石油大手は生産拡大を進める(中国石油天然気集団のサイトから)

原油などの生産が主力のペトロチャイナの発表によると、1~9月期の原油と天然ガスの生産量は5.2%増だった。習近平(シー・ジンピン)指導部が大気汚染対策に力を入れているため、国内で探査や生産を強化し、天然ガスを8.7%増やした。原油は2.9%増だった。

増産を受けて、売上高は5.1%増の1兆8144億元(約28兆円)。原油価格が下落傾向にある上、経済減速の影響を受け、純利益は23.4%減の372億元に落ち込んだ。7~9月期をみると、売上高は1.8%増にとどまり、純利益は58.4%減とマイナス幅が広がった。

一方、石油精製が主力のシノペックの1~9月期の原油と天然ガスの生産量は1.9%増。天然ガスが8.4%増で、原油は1.6%減だった。四川省や内モンゴル自治区で天然ガスの探査や開発を強化したことが功を奏した。

1~9月期の売上高は7.7%増の2兆2333億元だったが、純利益は26.5%減の442億元。7~9月期をみると、売上高は前年同期比5.0%減で、純利益は32.4%減だった。

海底油田などの開発を手掛ける中国海洋石油集団の上場子会社、中国海洋石油(CNOOC)の7~9月の原油と天然ガスの生産量は前年同期比で9.7%増えた。投資を3割近く増やすなど生産や探査を拡大し、海外が11.2%増、中国でも8.9%増えた。

具体的には、5月に商業生産の開始を発表した米メキシコ湾沖のアポマトックス油田の生産が伸びてきた。同油田は英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルと共同で権益を持っており、中海油の保有比率は21%。ナイジェリア沖のエジナ油田の生産も増えたという。

7~9月期の原油や天然ガスの販売収入は0.8%増の483億元にとどまった。徐可強総裁は「油田とガス田の探査や開発に力を入れ、国内外での生産を増やした」とコメントした。

中国メディアによると、18年の中国の石油の海外依存率は7割近くに上る。天然ガスは45%前後だが、習指導部の環境対策の一環で輸入が急増しており、中国ではエネルギー安全保障上の懸念から国内生産の拡大や海外権益の獲得が必要だとの声が根強い。

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