プリファードの企業価値 ユニコーン1社分増加

2019/11/3 20:05
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日本経済新聞社がまとめた2019年の「NEXTユニコーン調査」で企業価値が最も高かったのは人工知能(AI)の分野だった。18年比68%増の5396億円で、全体の2割強を占めた。幅広い産業でイノベーションの中心的役割を果たし始めており、首位のプリファード・ネットワークス(東京・千代田)は企業価値がユニコーン1社分増えた。

企業価値の算出対象は181社(前回は128社)で、うち「AI」分野の企業は23社ある。前回調査から9社増え、有望企業が次々生まれている現状を映した。

同分野の企業価値の増加分(2189億円)の7割は前回も推計対象になった企業の分だ。先行したスタートアップ企業の成長が続いている。

プリファードの価値増加額は1113億円。企業価値10億ドル(約1100億円)以上の未上場企業、ユニコーンが1社加わったのと同じ規模だ。大型の資金調達で優秀な人材を採用、自前の分析基盤も整えている。

7月に稼働したスーパーコンピューター「MN-2」のピークの性能は、18年7月に稼働したスパコンの2倍を超す。さらに20年春には、自社開発のAIチップを使うスパコンを稼働させる。

37位のゼネリックソリューション(同・渋谷)は企業価値が5.2倍の165億円に拡大した。ビッグデータ解析のソフトウエアを地銀に販売、10月に宮崎銀行が本格導入した。金融商品の需要が強まるタイミングを顧客ごとに予測できる。

40位のアリスマー(同・港)は3倍の160億円。東京大学大学院特任教授の数学者、大田佳宏氏が16年に創業した。数学や物理の博士号を持つ技術者が全体の2割を占め、画像認識に強い。

次に企業価値が高まったのは金融とIT(情報技術)が融合した「フィンテック」分野だ。同分野全体の価値は32%増え3275億円だった。

国を挙げたキャッシュレス決済の導入、インターネット通販の隆盛などで成長期待が高まった。QRコードを読み取るスマートフォン決済のオリガミ(同)は、28%多い417億円となった。

16位のペイディー(同)は23%増の307億円。クレジットカードがなくても買い物ができる後払い決済サービスを提供し、過去3年近くでアカウントが250万に増えた。今回の算出に含まれないが、1日に156億円の調達を発表した。

「人事・営業など企業向けサービス」分野は、ソフトウエア機能をクラウドで提供するSaaS(サース)企業が多い。業務効率化やコスト削減など、経営支援のサービスが主流の激戦地だ。フロムスクラッチ(東京・新宿)は米投資ファンドなどから約100億円調達、12位に登場した。

「eコマース、ネットサービス、ソフト開発」では情報アプリのスマートニュース(同・渋谷)の企業価値が2倍となった。全体の3位で、ユニコーンになった。名刺管理のSansanは前回506億円で6位だったが、6月に上場してランキングから外れた。

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