カシミール、31日に印政府直轄領に イスラム教徒は反発

2019/10/30 18:26
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【ニューデリー=馬場燃】インド政府は31日、北部ジャム・カシミール州を直轄領にする。これまでは同州に自治権を認めたが、中央政府が実質的に統治する。インドは約8割がヒンズー教徒だが、同州は国内で唯一イスラム教徒が多い。モディ首相が率いる与党インド人民党(BJP)はヒンズー至上主義を掲げており、イスラム教徒は中央政府の圧力が強まると反発している。

インド軍はジャム・カシミール州の監視を強めている(29日、同州スリナガル)=AP

インド政府は8月上旬に同州の自治権を認める憲法規定を削除する改正案を成立させて直轄領とすることを決めた。同州をジャム・カシミール、ラダックの2つに分割して管轄下に置く。政府はあらゆる法律の適用に同州の同意を事前に得る必要があったが、これからは直接的な統治を強めることができる。

モディ氏は同州を政府の直轄領にする狙いについて「テロリズムを排除する」と強調してきた。同州の領有権を争うパキスタンが支援する過激派の監視を強める目的がある。27日にはヒンズー教最大の祝祭「ディワリ」にあわせて同州を訪れ、テロ活動を監視している兵士を激励した。同州の兵士の数は50万人以上に増やしている。

しかし同州のイスラム教徒は猛反発している。インド政府は8月以降に外出禁止令を出し、インターネットや電話などの通信環境を遮断する措置を取った。政府はテロからの安全が確認できれば少しずつ状況を緩和すると説明するが、いまでも厳戒な監視体制が続く。

インド政府は同州を直轄領にすると決めた後、北東部アッサム州の住民を対象に国民登録名簿を作成する方針を示した。バングラデシュからの不法な移民を取り締まる狙いというが、アッサム州もイスラム教徒が多く住民は戸惑いを隠せない。パキスタンのアルビ大統領は「インド国内の少数派が厳しい状況にある」と非難しており、中国もインドの一連の措置について反対している。

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