ドイツ銀行、最終赤字1000億円 7~9月、リストラで
【ベルリン=石川潤】経営再建中のドイツ銀行は30日、2019年7~9月期の最終損益が8億3200万ユーロ(約1000億円)の赤字になったと発表した。ドイツ銀は7月に1万8000人の削減を柱とする再建計画を発表しており、リストラ費用が膨らんだ。稼ぎ頭の債券部門の収益は大きく減少しており、復活に向けた道筋はまだはっきりとは見えていない。

ドイツ銀行の最終赤字は2四半期連続だ。4~6月期は約31億ユーロの赤字で、赤字幅は縮小している。ゼービング最高経営責任者(CEO)は「構造改革は順調に進んでおり、コストやリスク削減ではっきりした進捗がある」と強調した。
ドイツ銀行は株式売買業務からの撤退や全行員の2割削減などリストラを進めている。9月にはヘッジファンド向け取引を仏BNPパリバに譲渡すると発表し、リスクを抑えながら収益力を高めようとしている。
だが、リストラの影響は今後の稼ぎ頭になるはずの中核部門にも影を落としている。債券部門の収益は12億3000万ユーロで1年前に比べて13%も落ち込んだ。ゼービングCEOは「リストラを進める中でも中核部門では利益を確保できた」と説明したが、成長シナリオは描き切れていない。
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