ナマコ密漁、AIで防げ 青森で24時間監視システム

2019/10/30 11:43
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ナマコ漁が盛んな青森県の陸奥湾で、県漁業協同組合連合会が導入した人工知能(AI)を使った監視システムが24時間、密漁船に目を光らせている。高級食材として中国、香港などで人気が高いナマコは「黒いダイヤ」とも呼ばれ密漁が横行し、暴力団が関わっていたケースもあった。10月の漁解禁を迎え、県漁連の担当者は「抑止力になっているはず」と話す。

ナマコの密漁について話す地元漁協の中川貴世仁・総括課長。手元のタブレット端末に不審船の情報が入る(7日、青森県蓬田村)=共同

監視システムは、漁船ではない船の特徴をAIに学習させた上で、湾沿いに設置したカメラが海上を撮影する。AIが画像を分析し、不審船だと判断すればその海域の漁協の担当者に連絡が入る仕組み。

2017年4月に導入され、利用する漁協の担当者は「『不審船や不審者がうろついている』という話はかなり減った」と話している。

むつ市沖で約960キロのナマコを密漁するなどしたとして、青森県警は15年10月~16年1月に14人を逮捕した。暴力団組長だった主犯格の男は実刑判決を受けた。

県警などによると、被害は15年3月から摘発されるまでの間に約58トン(2億円超)に上る。また13、14年には蓬田村でも大規模な密漁があり、青森海上保安部は1億円以上の被害が出たとみている。

水産庁によると、17年に摘発されたナマコ密漁は26件だが、「氷山の一角」と話す関係者もいる。「取った者勝ち」を許さないよう、昨年12月の漁業法改正で罰金の上限が200万円から3千万円に引き上げられた。

密漁者が今も暗躍している恐れがあり、陸奥湾では漁協の職員らが夜間に船を出してパトロールを続けている。監視システムの導入で出動回数を抑えられるなど負担は減ったという。

県漁連の担当者は「密漁者も警戒しているはず」と期待する。蓬田村漁協の総括課長、中川貴世仁さん(48)は「安心感がある」と話している。

〔共同〕

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