ウクライナ東部紛争、兵力引き離し始まる

2019/10/30 4:56
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【モスクワ=石川陽平】ウクライナ東部で続く紛争で、同国政府軍と親ロシア派武装勢力は29日、兵力の引き離しを開始したことを確認した。10月1日に合意して以降、砲撃と銃撃がやまずに実現が遅れていたが、ようやく兵力の引き離しが始まった。和平を討議するウクライナと独仏ロの4カ国首脳会議の早期開催に向け、調整が進む可能性が出てきた。

29日、キエフの大統領府前で東部での兵力引き離しに反対するデモ参加者=ロイター

29日に兵力の引き離しが始まったのは、政府軍と親ロ派が対峙するゾロトエ地区。29日にウクライナと親ロ派、ロシア、停戦監視にあたる欧州安保協力機構(OSCE)の代表が開いた「接触グループ」の会合で、ゾロトエに続いてペトロフスコエ地区での兵力の引き離しでも合意した。ただ、具体的な日程は明らかにしていない。両勢力が撤退した後は、同地域は緩衝地帯となるもようだ。

ゾロトエとペトロフスコエの両地区での兵力の引き離しについては、10月1日の「接触グループ」の会合で7日に着手することで合意していた。ただ、ウクライナ側は兵力引き離しは7日間の戦闘停止が条件になるとして、両地区で銃撃や砲撃が収束に向かうのを見極める姿勢を見せていた。

一方、親ロ派やロシア政府は、ウクライナ側の陣地に同国のナショナリストの民兵が入り、兵力の引き離しを妨げていると批判していた。これに対して、ウクライナのゼレンスキー大統領が26日にゾロトエ地区を訪れ、民兵に武器を撤収するよう直談判していた。

今後は政府軍と親ロ派の双方がゾロトエ地区の兵力引き離しを早期に完了し、ペトロフスコエ地区でも兵力の引き離しを始められるかが焦点になる。OSCEによる監視の下、両地区で停戦が守られれば、和平への具体策を協議するウクライナと独仏ロ4カ国の首脳会議が開催される運びだ。

ウクライナ東部の紛争は14年、同国で親欧米派が親ロ派の政権を倒す政変が起きたことをきっかけに始まった。非戦闘員も含めて約1万3千人が死亡した。今回の兵力引き離しで4カ国首脳会議の開催に向けて前進した形だが、和平の具体策を巡る当事者間の意見の隔たりはなお大きく、今後の協議の進展は見通せない。

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