中国の北大教授拘束「理由説明を」
日本の中国研究者が声明
日本の中国研究者らでつくる「新しい日中関係を考える研究者の会」は29日、9月に北京で北海道大の男性教授が拘束されたことについて「関連情報の開示を強く要求する」とする声明文を出した。「理由が不明なままの拘束は国際社会で到底受け入れられない」と指摘し、すでに日中の交流に悪影響が広がっているとした。
研究者の会には東大の高原明生教授や早稲田大の毛里和子名誉教授らが名前を連ねている。声明文は「中国社会科学院近代史研究所の招きに応じ、北京を訪問した北海道大教授を拘束した」と指摘した。日中領事協定に基づいて中国当局が逮捕・拘束の理由を明らかにするように求めた。
日中関係筋によると、拘束されているのは中国近現代史を専門とする北海道大の40代の日本人男性教授。9月に北京を訪問し、滞在中に中国当局に拘束された。過去に外務省や防衛省防衛研究所に勤務歴がある。準公務員である国立大の教員が拘束されたのは初めてとみられる。反スパイ法などに問われている可能性がある。