Perfume、渋公こけら落としでハイテクライブ

文化往来
2019/11/3 2:00
保存
共有
印刷
その他

渋谷公会堂(東京・渋谷)は1980年代に日本武道館と並び「ロックの聖地」と呼ばれた。浜田省吾にレベッカ、BOφWY。音楽に革命を起こそうとした野心家が競ってこの舞台を目指し、後々まで語られる圧倒のライブを繰り広げた。

最後のMCで、メンバーは「新しいことに挑戦できるグループでよかった」と語った=上山 陽介撮影

最後のMCで、メンバーは「新しいことに挑戦できるグループでよかった」と語った=上山 陽介撮影

そんなポップカルチャーの新潮流を生んできた特別なホールが今秋生まれ変わった。4年に及ぶ改装工事が終わり、新名称「LINE CUBE SHIBUYA」として再始動。テクノポップユニットのPerfumeがこけら落としで登場し、ライブ「Reflame 2019」が10月16~27日に計8公演開催された。

先端の技術を取り入れ、次世代のエンターテインメントを創造するとうたう新渋公。さらに映像表現と音楽を巧みに融合させるエッジの効いたライブを行ってきたPerfumeが「再構築」をテーマに、ライブの新しい形を提示するという。開演前から観客の期待が膨らんでいるのが伝わってくる。実際に期待を超えるパフォーマンスが展開された。

樫野有香(かしゆか)、西脇綾香(あ~ちゃん)、大本彩乃(のっち)が舞台で歌っているが、スポットは当たらない。代わりに存在感を示したのが、後方の大型スクリーンやステージを動き回る移動型パネルの映像。3人の動きをデータ解析して作られた3Dの人型模型やシルエット、幾何学模様が絶え間なく映される。その場の歌声や踊りに同期してリアルタイムで動きや形を変える演出が挿入され、バーチャルなPerfumeが主演のような不思議な感覚に包まれた。

ライブが進むにつれて、デジタルデータの素材のようだったメンバーは少しずつ前に出てくる。ラストで披露した「Dream Land」では生身の体を躍動させて歌う姿にフォーカスし、テクノロジーはあくまで3人を引き立てる演出に徹した。どんなに技術が進化しようとも、人間の鼓動が表現の核になければ娯楽ではない。そう主張しているようだった。

Perfumeと共に、新しいステージ演出の意欲的なモデルを打ち出した渋公。令和に入っても「音楽の殿堂」として先端を走り続ける、そんな可能性を感じたこけら落としだった。

(諸岡良宣)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]