脱プラで包装進化、紙容器拡大も ジャパンパック開幕

2019/10/29 19:43
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包装業界でプラスチックの使用量を減らして環境負荷を軽減する「脱プラ」が加速する。包装機械メーカーなどが出展する「ジャパンパック2019(日本包装産業展)」が29日、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開幕。紙を代替とするパック、水溶性素材などが来場者の注目を集めた。

日本テクノロジーソリューションは小ロットで缶をデザインできる機械を展示

「脱プラ」の流れで紙を生かした包装にも注目が集まった

なんつねは包装を開封し水気を拭く手間を自動化する

マスダックマシナリーは全自動どら焼き製造ラインのメンテナンス性を高めた

包装機械メーカー大手の大森機械工業(埼玉県越谷市)は、パスタの冷凍食品で使われるプラスチックの代替に紙パックを提案。専用の製造ラインを出展した。のりを使わず熱で圧着する紙パックで、プラスチックの使用量を抑えられる。

日本テクノロジーソリューション(神戸市)は缶のリサイクルを踏まえた包装機械をアピール。デザインフィルムを熱旋風によって、ゆがみなく貼り付ける技術に強みを持つ。「クラフトビールなど小ロットで生産できる利便性で、地域創生に貢献したい」(岡田耕治社長)。缶に直接の印字がないことで、再利用をスムーズにする。

海洋プラスチック問題の解決のため、18年に発足した官民連携組織「CLOMA(クロマ)」も出展。クラレの洗剤、プロテインの個包装などに使える水溶性フィルムなどを紹介した。

包装資材などをつくる北村化学産業(大阪市)の担当者は、「プラスチック使用量の少ない新しい容器を開発するには、包装機械メーカーの協力が欠かせない」と話す。素材、包装機械メーカー、それを実際に商品に採用する消費財メーカー、小売業界といった川上から川下までの連携が求められる。クロマは発足したばかりだが、垣根を越えて関連技術の開発を促す。

「脱プラや働き方改革など激変する課題に対して、包装が解決策を提示できる」。日本包装機械工業会の大森利夫会長(大森機械工業社長)は、包装業界が置かれた状況をこう述べる。

日本では整った美しい包装が好まれる傾向がある。例えば、医薬品では外箱が少しつぶれただけで廃棄せざるをえないなど見た目や品質にこだわる。日本企業には技術力を問題解決に向けることが求められている。

一方、食品工場など向けに省力化のニーズに応えた展示も目立った。なんつね(大阪府藤井寺市)は、鶏肉のパックを開封し水分をふき取る作業を自動化する機械を披露。これまでの作業人数を6分の1に減らせる。どら焼き自動製造機でシェア9割以上のマスダックマシナリー(埼玉県所沢市)は部品点数を減らし、メンテナンスしやすい製造機を出展した。

大手ではファナックが水平多関節ロボット(スカラロボット)の新製品を展示した。可搬重量が12キログラムと従来機の2倍となって用途が広がった。複数個のペットボトルを一度に積み替えるデモを公開し、生産効率の向上をアピール。自動車向けロボが強みだが、「食品・医薬品の製造現場の効率的な自動化にも貢献したい」(稲葉清典取締役)と新たな需要を掘り起こす。

ジャパンパックは1964年から開催。463社が出展し、11月1日まで開催。前回の17年は約5万人が参加した。

(西岡杏、福本裕貴、岩野恵)

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