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世界に関西発信、人材育て ECC・花房雅博副社長

未来像

はなふさ・まさひろ 1954年岡山県生まれ。京都産業大学を卒業した後、米国に留学。帰国後、84年にECC入社。講師としてキャリアをスタートし、ジュニア事業や法人渉外事業などに携わる。94年取締役に就任。2009年から副社長。

■英会話教室大手、ECC(大阪市)副社長の花房雅博さん(65)は、インバウンド(訪日外国人)の増加や国際博覧会(大阪・関西万博)の開催を控え、関西の魅力を世界に発信できる機会が増えてくると強調する。

万博の開催や統合型リゾート(IR)の誘致が控えているなか、外国語の需要は高まっている。特に大阪は東南アジアや中国、韓国からの訪日観光客が多いため、サービス業などでは語学力がある人材は重要視される。

訪日観光客が増えれば、関西の歴史や作法などを紹介する場面も多くなる。だが、自国の文化や歴史などについて知らない人も多い。米国に留学していた頃、私は同級生と一緒に授業で議論することがあった。同級生らは積極的に自分たちの国の政治状況や宗教、歴史などを話していたが、私は話に全く興味がなく、議論にすら入ることができなかった。

これからは関西の魅力を世界に発信できる機会が増えてくる。外国語が話せる人材は確かに必要だ。同時に、自分のバックグラウンドを理解し、関西の歴史・文化、魅力を海外へ発信できる人材を育てなければならない。

■関西には面白い事業を展開する中小企業や町工場が多い。協力すれば関西の魅力を発信できる。

ECCは現在、大阪の有志企業と民間団体で組織する「IR推進100社会」に加盟している。教育や飲食、中小企業など多様な業界が集まり、各社がそれぞれ役割を果たしている。関西でのIR誘致が実現になれば、英語教育の強化は自分たちの役目になると認識している。

万博やIRは関西経済の起爆剤となる。東京一極集中と言われるが、関西にも世界を代表する製造企業、面白い事業を展開している中小企業や町工場が集まっている。同業種や異業種の協力が生まれれば、効果的に関西の魅力を世界に発信できる。

大学時代ゴルフ部に所属していたときの花房副社長(左から2人目)

■大学卒業後、米国に留学した。言語の壁にぶつかり、日本の英語教育の「物足りなさ」を痛感した。

生まれも育ちも岡山だ。大学入学を契機に、京都に来た。大学ではゴルフ部に所属し、全国大会にも出場した。卒業後は父親が経営していた事業を継ぐため、岡山に戻った。だがどうしても貿易関連の仕事がしたく、家業を兄に譲り、経済学を学ぶため、カリフォルニア大学ロサンゼルス校へ留学することにした。

それまでは旅行ですら海外に行ったことがなく、米国での生活がどうなるかは不安でしかなかった。英語のレベルを上げるため、環境づくりを工夫した。現地の英語講師と一緒に部屋を借りて暮らした。大学では積極的に英語で同級生に声をかけた。すると自然に英語力が身につき、友達も増えた。語学を磨くには、外国語をたくさん使える環境に身を置くことが必要で、現地の社会に溶け込むべきだと実感した。

■国際社会で通用する人材は外国語で物事を考える力がある。

米国から帰国後、ECCに入社しジュニア事業を手掛けた。児童向けの英語教育に携わることは初めてだった。当時は文法から入る日本の英語教育には限界があると感じていた。正しい英語を学ぶため、文法を教わることも重要だ。だが極端に言えば、単語を並べるだけでも、英会話は成り立つ。英語は中国語や韓国語と同じく、あくまでもコミュニケーション手段の一つにすぎない。

言語の習得は、話せることができればもちろんいいことだが、「話せる」が最終目的ではない。グローバル化の時代では、一歩先にある「外国語で考える・学ぶことができる」人材が必要となる。

(聞き手は松本晟)

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