日清オイリオとJ―オイルミルズ、業務提携へ協議
家庭用食用油最大手の日清オイリオグループと同2位のJ―オイルミルズは29日、業務提携の協議に入ると発表した。原料から油を搾る工程や共同配送などで連携する。2020年3月末までの契約締結を目指す。食用油は原料調達などで国際競争が激しく、調達や搾油などの上流工程で協力することで、安定的な収益基盤を構築する。
提携の検討内容は、両社の国内工場にある搾油設備の相互活用や、原料となる大豆や菜種を海外から輸入する際の共同輸送などが柱。災害時に工場が操業停止になった場合の協力も検討する。
一方で資本提携には踏み込まず、精製過程や商品の共同開発などについては提携の対象外だ。今後の提携契約の締結にあたっては独占禁止法に抵触しない範囲で検討し、関係当局と協議する。
家庭用食用油の市場では2社は市場シェアの6割程度を占める。日清オイリオは前身の日清製油が2002年にリノール油脂、ニッコー製油と経営統合して成立。J―オイルミルズも03年までにホーネンコーポレーションなど大手3社が統合するなどして生まれた。
食用油は小売店で安売りの目玉とされることも多い。輸入品などを交えた価格競争も激しく、これまでは規模拡大で利益を確保するため、業界再編を繰り返してきた。
人手不足などで生産コストも膨らむなか、今回の業務提携を通じて効率化につなげる狙いだ。
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