「天地天命に誓う」「論戦を張る」浸透? 文化庁調査

2019/10/29 17:00
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「自分の言うことに、うそ偽りがないことを固く約束するさま」を意味する慣用句として、「天地天命に誓って」を使う人が53.7%に上ったことが29日、文化庁の2018年度の「国語に関する世論調査」で分かった。本来の言い方とされる「天地神明に誓って」は32.1%だった。また半数以上が「砂をかむよう」「憮然(ぶぜん)」を本来とは違う意味でとらえていた。

調査は全国の16歳以上の男女約3600人を対象に実施し、約2000人から回答を得た。

年代別に見ると、「天地天命」を使う割合は若い世代ほど高い傾向にあり、最高は20代で63.8%。最低は50代の50.2%だった。本来の「天地神明」は10代が最も低く13.6%で、60代が39.6%で最も高かった。

文化庁によると、神明は神を意味するが単独ではあまり使われない。一方で天命には「天命を待つ」といった表現がある。同庁は「単独でよく使われ、天地と合わせると語呂もよいことから『天地天命』が広がった可能性がある」としている。

また「論理を組み立てて議論を展開すること」の意味で「論戦を張る」を使う人は44.0%。本来の「論陣を張る」は29.5%だった。「前言に反したことをすぐに言ったり、行ったりするさま」として「舌の先の乾かぬうちに」を使う人は24.4%で、本来の「舌の根の乾かぬうちに」は60.4%だった。

慣用句の意味を聞く質問では、「砂をかむよう」を56.9%が「悔しくてたまらない様子」と回答。本来の「無味乾燥でつまらない様子」を20ポイント強上回った。

「憮然」を「腹を立てている様子」としたのは56.7%。本来の「失望してぼんやりとしている様子」は28.1%にとどまる一方で、年代が若いほど本来の意味でとらえていた。学校が過去の世論調査の結果を授業で使うなどした影響が考えられるという。

同庁は言葉の変化について「良い悪いと評価するものではなく、その時々の言葉の意味や使われ方を観測しておくことが大事だ」と説明する。

●電子書籍の利用増える
2018年度の「国語に関する世論調査」では電子書籍を「よく利用する」「たまに利用する」と答えた人が計25.2%となり、13年度調査より7.9ポイント増えた。「紙の本・雑誌・漫画しか読まない」は38.7%で、6.5ポイント減った。
 一方、「読書離れ」の傾向は続いた。1カ月に本を1冊も読まない割合は47.3%。読書量が「以前に比べ減っている」と考える人は67.3%に上った。
 読書量が減っている理由を2つまで選んでもらったところ、「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」が最多で49.4%だった。3番目に多い「(スマートフォンなどの)情報機器で時間が取られる」は36.5%で、08年度調査(14.8%)や13年度調査(26.3%)より大幅に伸びた。
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