名刺管理のSansanが提訴「比較広告が事実と異なる」

クラウド名刺管理サービス「Sansan」を手掛けるSansanは28日、同ジャンルの「ホットプロファイル」を提供するハンモック(東京・新宿)を相手取り、3322万円の損害賠償などを求める民事訴訟を同日付で東京地裁に起こした。
Sansanによると、ハンモックはホットプロファイルの広告や営業活動で他社サービスとの比較を実施しており、その対象が「Sansanであることが想起可能な表示」になっているという。その上で「当社サービスの機能や特徴などについて事実と異なる表示を行っていることが不正競争防止法に抵触する」(Sansanの発表文)と判断し提訴したとしている。
具体的には「Sansanは名刺管理機能に加え顧客管理やチャット、ビジネスツールとの連携などの機能を備えている。しかしホットプロファイルの比較広告では、あたかもSansanが名刺管理機能しか提供していないかのように表示されている」(Sansan広報)と主張。Sansanは損害賠償だけでなく、比較広告などの差し止め、謝罪広告の掲載を求めた。仮処分申請は実施していない。
ハンモックは今回の提訴について「現段階では当社として思い当たる点はない。詳細については、訴状が届くのを待ってその内容を確認しないとコメントできない」としている。
日本経済新聞社はSansanに出資していたが、Sansanが2019年6月に東証マザーズへ上場した際に保有していた全てのSansan株式を売却しており、現在は資本関係がない。
(日経 xTECH/日経コンピュータ 金子寛人)
[日経 xTECH 2019年10月28日掲載]