アルゼンチン、与野党が政権移行で協力 株価は下落

2019/10/29 7:34
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【ブエノスアイレス=外山尚之】アルゼンチンのマクリ大統領は28日、大統領府にフェルナンデス次期大統領を招き、政権移行で協力することで合意した。フェルナンデス氏はマクリ氏との対話を拒んできたが、27日投票の大統領選で勝利を決めたことで、柔軟な姿勢を示して市場の動揺を抑える方針に転換した。しかし、株価が大きく下落するなど市場は不安定な状況が続いている。

大統領府にフェルナンデス次期大統領(左)を迎え握手するマクリ大統領(28日、ブエノスアイレス)=ロイター

28日朝、両氏は約1時間会談した。マクリ氏は「私と私のチームは全てのアルゼンチンの利益のため、民主的な移行のための協業ができる」とツイッターに投稿した。

12月10日の新大統領の就任式を前に両氏は対話を演出するが、市場ではフェルナンデス政権の誕生に伴う左派ポピュリズム(大衆迎合主義)の復権への警戒が強まる。

主要株価指数メルバルは28日、前週末比3.9%安で取引を終えた。左派陣営の経済政策に対する不透明感が嫌気されたうえ、隣国ブラジルのボルソナロ大統領が「私は彼(フェルナンデス氏)を祝福しようと思わない」と述べたことも不安材料とされた。右派のボルソナロ氏は大統領選前、アルゼンチンで左派政権が成立すれば、同国を関税同盟の南米南部共同市場(メルコスル)から追放すると示唆していた。

アルゼンチンの首都ブエノスアイレスでは大統領選の直前、米ドルを求める市民が両替商に殺到したが、28日は一転して顧客がほとんどいなくなっていた。アルゼンチン中央銀行が27日夜、1カ月あたりのドルの購入の上限を200ドルと、従来の1万ドルから50分の1に制限すると発表し、個人のドル買いを事実上封じたためだ。

一方、路上では闇レートでの取引を請け負う通称「カンビオ・ガイ」が道行く人にドルの交換を呼びかける。200ドルの上限を超えてペソをドルに替える市民の姿も見られた。もともとアルゼンチン国民は自国通貨や銀行を信用しておらず、有事の際はドルを購入する行動が定着している。

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