米通信当局、ファーウェイ排除要求へ 既存設備も交換

ファーウェイ
2019/10/29 6:33 (2019/10/29 10:39更新)
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FCCは調達を禁止する企業の対象にファーウェイとZTEを名指しした=ロイター

FCCは調達を禁止する企業の対象にファーウェイとZTEを名指しした=ロイター

【ニューヨーク=中山修志】米連邦通信委員会(FCC)は28日、国内の通信会社に対して中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の製品を使わないよう求める採決を11月に実施すると発表した。新規調達を禁じるだけでなく、既存製品の撤去・交換も要請する。スパイ活動などを懸念した措置で、米国による中国企業への締め付けが一段と厳しくなる。

トランプ米政権は中国との貿易協議で「第1段階」の合意に達したとして、11月中旬にチリで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の機会での署名を目指している。ファーウェイやZTEの件は貿易協議とは別枠で扱うとしているが、一定の影響はあるとみられ、協議が複雑になる可能性がある。

地方に通信回線を普及するため設けているFCCの補助金を受け取る企業が、両社の製品を購入することを禁じる。現時点で両社製品を使用している企業には撤去と交換も求め、その費用を支援する。11月19日にFCCの5人の委員が投票する予定で、賛成多数で可決される見通しだ。

FCCのパイ委員長は「補助金を受け取る企業にファーウェイやZTEとの取引を禁じ、安全保障上のリスクと戦う」と声明を出した。違反した企業には補助金の支給を打ち切る方針だ。

規制の影響を受けるのは、補助金に頼る地方の通信会社だ。これから次世代通信規格「5G」の通信網を構築するにあたってファーウェイやZTEの製品を買えなくなる。既存製品を巡ってはAT&Tなど大手通信会社は既に中国製品を避けているが、中小規模の通信会社は安さや手厚いサービスに引かれてファーウェイなどの機器を使っているところがある。

地方通信会社の25%が両社の製品を使っているとの業界団体の試算もあるが正確には不明だ。このためFCCはまず米国の通信網でどれくらいの中国製品が使われているのかを調査する予定。その後、撤去や交換にかかる費用を算出したうえで、資金支援を検討する。

FCCは2018年4月、両社を念頭に「国家安全保障上の懸念がある企業」からの製品調達を禁じる規制の導入方針を全会一致で決めた。今回は規制実施にあたって2社を名指しした。

米国政府や議会はファーウェイやZTEの製品を使えば、中国政府のスパイ活動に使われたり不正なソフトを埋め込まれたりするリスクがあると主張している。ファーウェイなどは安全性を確保しているとして全面的に否定している。

トランプ米政権は19年8月、米政府機関がファーウェイやZTEなど中国5社から製品を調達するのを禁じた。18年8月に成立した国防権限法に基づく措置で、20年8月以降は5社の製品を使う企業も米政府と取引できなくなる。政府の補助金を受け取っているかどうかにかかわらず民間企業による調達禁止も検討中だ。

中国政府はファーウェイなどへの締め付けをやめるよう求めており、両政府が進める貿易協議の取引材料にもなっている。部分合意に向けて歩み寄りの機運もあるが、ハイテク摩擦は今後も激しくなる公算が大きい。

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