英議会、解散提案を否決 首相なお総選挙探り新法案準備

2019/10/29 4:00 (2019/10/29 5:46更新)
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下院解散をめぐり討論するジョンソン英首相(28日、ロンドン)=AP

下院解散をめぐり討論するジョンソン英首相(28日、ロンドン)=AP

【ロンドン=佐竹実】英議会下院は28日、欧州連合(EU)からの離脱を目指すジョンソン首相が提出した「12月12日投票の総選挙」の動議を否決した。EUは離脱期限の2020年1月末までの延長に同意したが、英議会は離脱協定案を承認できていない。動議が否決されたジョンソン氏は29日、総選挙実現を目指す新法案を出すことで望みをつなぐが、離脱の行方は混迷を深めている。

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ジョンソン氏による総選挙の動議が否決されるのは9月4日、同月10日に続き3回目だ。動議の成立には下院(定数650)の3分の2以上の賛成が必要だが、賛成は299にとどまった。反対70で、多くが棄権した。

2011年成立の議会任期固定法は、総選挙の前倒しには内閣不信任案の可決か、下院議員の3分の2以上の同意が必要と定める。ジョンソン氏は、この法律に基づく動議を出し、最大野党・労働党のコービン党首に協力を呼びかけた。だが、支持率が下がる労働党の議員は総選挙を避けるため棄権に回ったようだ。

ジョンソン氏は28日の採決後、12月12日の総選挙のための新たな「法案」を出すと述べた。29日にも審議する。議会任期固定法と整合させるため、次回の総選挙に限り同法の規定を適用しない趣旨を含む法案になるとみられる。英議会で法案は動議と違い、過半数の賛成で可決できるが、審議に時間がかかる。その過程で修正要求を受け入れれば、内容が当初案から大きく変わる可能性があるので、ジョンソン政権は動議を優先していた。

英国がEUから離脱するには、英議会が離脱協定案を承認する必要がある。EUは17日に協定案を承認済みだ。10月末の離脱を公約にしていたジョンソン氏は、英議会での承認のために必要な関連法案のスピード審議を議会に提案したが、これが否決されて離脱延期を余儀なくされた。

関連法案の骨格自体には議会の過半が賛成している。ジョンソン氏は10日程度あれば関連法案を可決できるとみて、11月中に離脱したうえで総選挙を実施しようとした。だが28日の動議否決で早期離脱は難しくなった。

ジョンソン氏は姿勢を変え、総選挙を先に実施してから離脱協定案の可決を目指すとみられる。早期総選挙に向けた新たな法案を通すには、野党などへの大きな譲歩が必要になりそうだ。

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