英首相、離脱延期「認めるほかない」 EUに書簡
【ロンドン=篠崎健太】英国のジョンソン首相は28日、欧州連合(EU)のトゥスク大統領に書簡を送り、EU離脱の10月末からの延期に同意すると表明した。「意思に反して課された法的義務のもと、延期に対する英国の正式な同意を認めるほかない」と伝えた。その一方で延期に反対する自身の立場も書き込み、さらなる延期はあり得ないと強調した。
ジョンソン氏は「この望まぬ離脱延期は我々の民主主義を傷つけるものだ」と改めて主張した。10月末の離脱を実現させるため、英・EUがまとめた新たな離脱案を英議会が速やかに承認することを望んでいたと伝えた。「延期の選択肢が残っている限り議会が承認しないことを非常に恐れている」とも述べ、事態を打開するために総選挙の前倒しを求めていると説明した。
英国を除くEU加盟27カ国は同日、離脱期限を最長で2020年1月末まで3カ月延ばすことで合意した。ジョンソン氏は「離脱案を承認する十分な時間ができる」と指摘した上で「EU加盟国に対し、1月31日より後へのさらなる延期はあり得ないと明確にすることを求める」と訴えた。