最後までドラギ節、ECB総裁、メルケル氏に財政要求

2019/10/29 3:14
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【フランクフルト=石川潤】欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は28日、フランクフルトの本部で開かれた退任式典で、ドイツのメルケル首相らを前に低インフレから抜け出すには財政の力が必要だと訴えた。ドラギ氏は10月末に8年の任期を終え、国際通貨基金(IMF)専務理事を務めたフランス出身のラガルド氏に総裁職を譲る。

ドラギ総裁(右)の退任式典に現れたメルケル独首相=ロイター

「きょうはただのお祝いでなく、深く考える機会にしたい」。メルケル氏やマクロン仏大統領が祝辞を述べ、終始和やかな雰囲気だった式典の最後のスピーチで、ドラギ氏がこう切り出した。

ドラギ氏は「インフレの力がデフレの力に変わった」と指摘した。投資のリターンも落ちるなか「低金利が過去と同じような刺激効果を持たなくなっている」と述べた。

ドラギ氏が強調したのは「財政政策が金融政策と連携すれば、早くより少ない副作用で物価目標を達成できる」という考えだ。金融政策一辺倒にはもとより限界がある。ユーロ圏は財政政策が国ごとに分かれているため「ユーロ圏にとって正しい財政政策が取られると必ずしも保証されていない」とも語った。

2008年のリーマン・ショック以降、米国は財政が景気を支えてきたが、欧州では逆に財政が景気の足を引っ張っているとドラギ氏はみている。ユーロ圏が十分な財政手段を持つことが必要だとの考えを示した。

金融政策が限界に近づくなか、ECBではドイツなどの財政に余裕がある国の景気対策を求める声が強まっている。ドイツは大規模なユーロ圏予算を設けて財政統合を加速させることにも消極的とみられている。

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