AT&T、増配や資産売却を発表 物言う株主と「休戦」

ネット・IT
北米
2019/10/29 2:38
保存
共有
印刷
その他

【ニューヨーク=宮本岳則】米通信大手AT&Tは28日、資本効率の改善を目指す3カ年計画を公表した。2020年に最大100億ドル(約1兆円)分の資産を売却するほか、増配や自社株買いといった株主還元の充実も明記した。経営改善を強く求めていた米アクティビスト(物言う株主)のエリオット・マネジメントは同計画を歓迎する声明を発表しており、両者は「一時休戦」で合意した形だ。

ニューヨークを本拠とする米エリオットは380億ドルを運用する世界最大規模のアクティビストだ。アルゼンチンや韓国といった国家を相手に法廷闘争を仕掛けるなど、こわもての投資家として知られる。9月に30億ドル超のAT&T株を保有していると明かした上で資産売却やコスト削減を要求した。新しい取締役を推薦する意向も示しており、株式市場ではAT&Tの対応策に注目が集まっていた。

AT&Tが28日公表した3カ年計画は、エリオットの要求を一部取り入れたものになった。事業戦略上、重要ではなくなった資産の切り離しは19年中に140億ドル分を完了する見通し。20年に追加で50億~100億ドル分の売却を予定する。継続的な増配を約束し、22年にはフリーキャッシュフローの50%を上限に配当に回すと明記した。取締役も追加で2人選任すると明らかにした。

エリオットは同日発表した声明文の中で、AT&Tの3カ年計画について「大きな前進」と評価した。9月の提案公表を受けて両者は話し合いを重ね、妥協点を探っていたようだ。株式市場はわずか1カ月間でのスピード合意を好感し、AT&T株は同日、前週末に比べて一時5%高まで買われた。エリオットは今後も株主としてAT&Tと対話を継続する意向を示しており、計画実行の遅れで対立が再燃する可能性もある。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]