回転ずし元祖店、世界に知れ渡るきっかけに
古今東西万博考

関西タイムライン
コラム(地域)
2019/10/29 7:00
保存
共有
印刷
その他

万博に出店した回転ずし店の「廻る元禄寿司」

万博に出店した回転ずし店の「廻る元禄寿司」

1970年の大阪万博では、パビリオンだけでなく飲食店もにぎわった。とりわけ長い行列ができたのが、回転ずしの「廻る元禄寿司」だ。客が殺到してネタごとにすしを皿に載せて提供する余裕がないほどで、にぎりのセット(300円)をおけに入れてレーンに流していたという。

経営する「元禄産業」(大阪府東大阪市)の白石博志社長によると、創業者で父の義明氏(故人)が、ビール工場のベルトコンベヤーで流れる瓶を見てひらめいたのがきっかけ。58年に日本初の「コンベア旋回式食事台」をつくった。戦後復興期の人手不足を解消する狙いで、町工場の常連客に知恵を借りて開発したという。

「新しいもん好きの大阪人の性格に合っていた」と白石氏。地元商工会の要請で万博への出店が決まり、万博会場を周回していたモノレールの西口駅前の広場に店舗を構えた。ソ連館やアメリカ館などの人気施設に近く、外国人客も多く訪れたことで、回転ずしが世界に知れ渡るきっかけとなった。

74年にはニューヨークに海外初出店し、大阪府から万博の食品衛生優秀店として表彰された。白石氏は「2025年大阪・関西万博でも出店し、『元祖』を復活させたい」と意気込む。

回転ずしはその後、元禄寿司が取得した特許が78年に切れたことで、各社がこぞって参入。1皿100円の薄利多売のビジネスモデルで身近な存在となった。近年では人件費の高騰や省力化からシャリを握るロボットや座席予約システムの導入が進む。一方「元気寿司」(宇都宮市)が注文品を提供するだけの「回らない」寿司に注力するなど業態転換も起きている。

(奥山美希)

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]