廃虚マンション、強制解体に1億円
空き家と向き合う(1)

ルポ迫真
住建・不動産
地域総合
2019/10/29 2:00
情報元
日本経済新聞 電子版
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狭い区画のため重機が入らず、手作業で空き家を解体する作業員(広島県尾道市)

狭い区画のため重機が入らず、手作業で空き家を解体する作業員(広島県尾道市)

「箱庭的都市」と呼ばれ、路地に寺社や民家がひしめく広島県尾道市。8月上旬、観光主要ルート「古寺めぐりコース」沿いの一角で、朽ちた木造2階建て民家(延べ床面積約83平方メートル)の解体作業が進んでいた。

民家への通路は人が2人並んで歩けるだけの幅しかなく、背後にはJR山陽本線が走る。大型重機を使えないため、バールなどで家屋を壊し、がれきを運び出す。「10年以上、いつ崩れるかとひやひやしていた。やっと壊してくれた」。近隣に住む80代女性が胸をなで下ろした。

【次回記事】 空き家をまとめてホテルに 地域に再び活気

解体は「倒壊で住民や隣接するJR線に多大な被害を及ぼす可能性がある」と判断した尾道市が、是正指導や勧告に従わない所有者に代わって強制的に実施した。投じた費用は460万円。所有者側から回収できる見込みはほとんどない。

登記簿上の建物所有者は死亡し、法定相続人も相続を放棄。建物と土地の所有者が異なるため、土地処分による回収もできない。市長の平谷祐宏(66)は「私有財産の処分に税金を投入するのはおかしいが、…

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