東芝、スペイン車部品とIoT検査の実証実験
東芝は28日、自動車向けプレス部品世界大手のスペインのゲスタンプとあらゆるモノがネットにつながる「IoT」を使った検査技術の実証実験を始めたと発表した。カメラやセンサーで収集したデータを人工知能(AI)で分析し、不良品を見つけ出す。将来は外部企業へのシステムの販売も視野に入れる。
実証実験はゲスタンプのドイツ工場で溶接部品を対象に、2020年3月まで実施する。溶接部品を撮影した画像と、センサーで検出した部品が変形したり壊れたりするときに発する音波のデータを組み合わせて分析する。
これまではプレス部品の溶接不良は検査員による目視で探していた。AIシステムを導入することで、検査員による見落としを防ぐことができるとみる。製品の品質検査のノウハウを身につけるには数年かかるといい、検査員の技能による精度のばらつきも防ぎたい考えだ。
不良品検出の効果が確認できれば、ゲスタンプのほかの工場でもシステムを導入する。東芝グループで同事業を管轄する東芝デジタル&コンサルティング(川崎市)の沖谷宜保社長は「製造品質の維持・工場に貢献できるソリューションをグローバルに提供していきたい」とコメントした。
(広井洋一郎)