宝塚花組トップ退団へ、明日海りお 神秘的な美しさ放つ

2019/11/1 2:00
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レビューでは宝塚らしい華やかな姿を存分に披露した=(C)宝塚歌劇団

レビューでは宝塚らしい華やかな姿を存分に披露した=(C)宝塚歌劇団

宝塚花組のトップスター、明日海(あすみ)りおの退団公演「A Fairy Tale」が東京宝塚劇場(東京・千代田)で幕を開けた。バラの精霊を演じる明日海は、神秘的な美しさをたたえた演技で観客を魅了している。

明日海は繊細な演技で、葛藤を鮮やかに描き出した(C)宝塚歌劇団

明日海は繊細な演技で、葛藤を鮮やかに描き出した(C)宝塚歌劇団

舞台は19世紀の英国。貴族の屋敷にあるバラ園で、美しく優雅な白バラの精霊エリュ(明日海)は、想像力豊かな貴族の少女シャーロットと出会う。シャーロットに心ひかれて自然界の規則を破ったエリュは、罪の色である青色に変えられて荒廃した庭に閉じ込められてしまう。

青色で統一されたウエーブがかった長髪やアイシャドー、体のラインに沿った衣装が明日海の透明感を際立たせ、この世のものとは思えない美しさを放つ。ストーリーに大きな起伏はないが、憂いを帯びた表情や気品にあふれるたたずまい、指先にまで色気の漂う繊細な演技で、報われない思いから生まれる葛藤を鮮やかに描き出した。ラストシーンで披露する伸びやかな歌声は圧巻だ。今作がトップ娘役として初の大劇場公演となる華優希(はな・ゆうき)は、シャーロットの純真な少女時代から苦難に満ちた結婚、穏やかな老後まで、違和感なく演じた。

続くレビュー「シャルム!」はハットをかぶったスーツ姿から、軍服、黒えんび服の群舞まで盛りだくさんの内容。しなやかで華麗な明日海と、キリリと端正で力強い明るさを放つ男役二番手、柚香光(ゆずか・れい)の対照的な魅力が際立つ。

明日海は宝塚歌劇100周年の年にトップスターとなってから5年間、主演した大劇場公演9作品全ての劇場稼働率が100%超えという「宝塚史上最強」(小川友次・宝塚歌劇団理事長)の人気を誇った。その個性を存分に味わえる舞台となっている。11月24日まで。

(佐々木宇蘭)

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