ドイツ州議会選、左派党勝利・極右躍進 沈む二大政党

ドイツ政局
2019/10/28 6:01
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【ベルリン=石川潤】独東部、チューリンゲンで27日実施された州議会選挙で旧共産党の流れをくむ左派党が勝利し、極右、ドイツのための選択肢(AfD)が第2党に躍進した。1990年のドイツ再統一以来、第1党を守り続けてきたメルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)は第3党に沈んだ。国政でCDUと大連立を組むドイツ社会民主党(SPD)も第4党で、二大政党の退潮が鮮明になった。

独州議会選挙での躍進を喜ぶ極右、ドイツのための選択肢(AfD)幹部=ロイター

選挙管理委員会の暫定結果によると、左派党が前回14年より約3ポイント高い約31%の得票でCDUから第1党の座を奪い、極右のAfDも前回の2倍を超える約23%で第2党に躍り出た。長くドイツ政治を担ってきた二大政党のCDUは前回より10ポイント以上低い約22%、SPDは同約4ポイント低い約8%で、いずれも再統一以来の過去最低となった。

チューリンゲンでは左派党が伝統的に強く、前回選挙後はSPD、緑の党と連立政権を組んでいるが、第1党になるのは初めてだ。安定した政権運営を続ける同党のラメロウ州首相の人気が高く、旧東独の利益を代表し、安心して政権を任せられる責任政党との見方が有権者に広がった。

極右のAfDはメルケル政権の移民政策に不満があり、治安などに不安を抱く有権者の支持を幅広く集めた。選挙戦を率いたヘッケ氏はAfDのなかでも過激な発言で知られ、国内外で危険視されているが、一部の有権者からは歯に衣(きぬ)着せぬ発言だと前向きな評価を受けた。

左派党とAfDという左右両翼の政党が中道寄りの層にまで支持を広げるなか、二大政党のCDU、SPDは独自色を打ち出せずに失速した。ほかの州では躍進が目立つ緑の党も伸びなかった。

二大政党の退潮はメルケル政権の今後にも影響しかねない。18年12月にメルケル氏に代わってCDU党首に就いたクランプカレンバウアー氏は選挙での手痛い敗北が続いており、資質を疑う声が高まりかねない。SPDでも党の存在感を埋没させているとして連立離脱論が強まる恐れがある。

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