孫揺さぶり死で逆転無罪 60代祖母、暴行認められず
大阪高裁

2019/10/25 17:47
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生後2カ月だった孫の女児を揺さぶって暴行し死亡させたとして、傷害致死罪に問われた祖母の山内泰子被告(69)の控訴審判決で、大阪高裁(村山浩昭裁判長)は25日、「死亡に結び付く暴行は認められない」として、懲役5年6月とした一審大阪地裁の裁判員裁判判決を破棄し、逆転無罪を言い渡した。

一審判決は、孫に急性硬膜下血腫など「乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)」の兆候がみられたことから被告による虐待と判断。しかし村山裁判長は、暴行ではなく病死の可能性を指摘した上で「SBSの理論を単純に適用すると極めて機械的で画一的な事実認定を招く」と一審の判断を批判した。

弁護側によると、乳幼児の虐待事件はSBSの理論に基づき立件されるケースが多いが、こうした立証に警鐘を鳴らす初の司法判断とみられ、警察や検察の捜査に影響しそうだ。

村山裁判長は判決理由で、一審判決について、孫にSBSの兆候があったことにより「近くにいた被告が揺さぶって虐待したと推定し、消去法的に犯人と特定した」と指摘した。

その上で、控訴審で出廷した脳神経外科医らの証言から、孫は頭部の血管に血の塊ができる「脳静脈洞血栓症」を発症し、脳機能不全に陥って病死した可能性が否定できないと判断。被告は孫の顔を見に行きたいと思い世話を引き受け、動機もなく、1秒間に3往復という速さで揺さぶることは「被告の年齢、体力を考えても相当不自然だ」とし、暴行による外傷とは認められないとした。

2017年10月の一審判決は小児科医らの証言を基に、女児の頭部に成人が全力で揺さぶる程度の衝撃を与え、急性硬膜下血腫などの傷害が生じたと認定していた。

山内被告は16年4月6日午後、娘一家が住む大阪市東淀川区の集合住宅で、孫の頭部に強い衝撃を与え、同7月23日に脳機能不全で死亡させたとして起訴された。〔共同〕

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