能楽師の浅見真州、源氏物語題材の「浮舟」を上演

文化往来
2019/10/30 6:00
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観世流能楽師の浅見真州(まさくに)が11月26日、国立能楽堂(東京・渋谷)で開く自主公演で、源氏物語を題材とした「浮舟」を上演する。浅見が同作を上演するのは18年ぶり。浅見は「頻繁に上演されない『秘曲』といえる作品。源氏物語が持つ王朝絵巻風の品格を失わずに演じたい」と語る。

舞台での所作は仏像をモデルにしていると明かす浅見

舞台での所作は仏像をモデルにしていると明かす浅見

光源氏の次男とされる薫と、冷泉院の皇子である匂宮という、2人の貴公子からの求愛で板挟みになった浮舟を描く。前半は宇治を訪れた僧の前に1人の女性が現れ、浮舟の故事を語って消える。後半は浮舟を弔うため読経を始めた僧の元に彼女の霊が現れる。この霊が苦悩の末に入水を覚悟した過去を回想するシーンが見どころだ。

シテ(主役)を勤める浅見は「心情を吐露する浮舟の興奮、精神の高まりをどうやって表現していくか。いわゆる『狂女物』だが、品格や若い女性のかわいらしさを保ちながら演じなければならない」と難しさを指摘する。

同作は室町時代に細川家の家臣だった横越元久が作り、世阿弥が節回しを付けたとされる。「アマチュアが作ったとして小品扱いされており上演機会は少ないが、そうした曲を演じて値打ちを上げるのが大切」と力を込める。50歳で自主公演を始めた当初は大曲を扱うことが多かったが、近年は埋もれた曲を積極的に取り上げてきた。

今年で78歳。「舞台は美しくなきゃいけないと口やかましかった」と師匠の観世寿夫から受けた薫陶を振り返る。その教えを踏まえ舞台では「骨格正しく、美しく」を心がける。

手本にするのが仏像。「良い仏像はなんともいえず収まり良く存在している。肉付きのバランスも良い。美しく、できる限り表現豊かに、爽やかに。舞台の後に気持ちよくなってもらえる芸を見せたい」

(佐々木宇蘭)

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