未来面「あたらしい時代です。」

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社会をスムーズにするための「あたらしい動き」とは何か?
読者の提案 内山俊弘・日本精工社長編

未来面
2019/10/28 2:00
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内山社長の提示した「社会をスムーズにするための『あたらしい動き』とは何か?」という課題に対し、多数の投稿をいただきました。紙面掲載分を含めて、当コーナーでその一部を紹介します。

■人生100年時代に健康な身体を

笹尾邦彦(会社員、38歳)

2030年には日本の高齢化率が33%に達し、世界34カ国が超高齢化社会になると予測されている。しかし平均寿命と健康寿命との間には大きなギャップが存在している。健康寿命に関する指標の1つとして、自由に移動できる身体的な健康が挙げられる。現在、電動車いすやパワーアシストスーツなど、移動を補助する商品は存在するが、装着する手間もあり、全ての人が自由に移動できるとは言いづらい。そこで、移動を妨げる大きな要因である膝関節症治療のため、潤滑、材料、生産技術、メカトロ技術を駆使することで、「一生壊れることのない人工関節」、そして将来的には「人の意思を読み取り、自在に動かすことのできる人工関節ユニット」の開発を提案する。「機械」の動きをスムーズにするだけでなく、次の100年は「人」の動きをスムーズにすることで円滑で安全な社会に貢献してみてはどうだろうか?

■ラッシュアワーをよりスムーズに

松浦想(駒沢大学グローバル・メディア・スタディーズ学部1年、19歳)

通学通勤の際にネックとなるのが混雑した駅や電車である。フレックスタイム制などもあるが、電車で通学する私からすると混雑ぶりは変わらずである。そこで電車を予約するアプリ開発を提案する。利用者はラッシュアワーのみ、時間指定で電車と号車を事前予約できる。空いている号車を指定する人が増加し、号車ごとの混み具合も等しくなるだろう。また、電車の座席をすべて折りたたみ式に変えることでラッシュアワーは乗車可能な乗客が増やせる。普段は椅子として使え、1号車をすべて優先席や車いすの方限定にすることで老若男女が安心して乗車できるだろう。電車を2階建てにする案などが出ているが、新しく多くの電車を作る必要があり莫大なお金と時間がかかる。誰もが持つスマートフォンを利用することで短時間かつ簡単に満員電車問題を緩和できる。朝という誰もが憂鬱な時間を一刻も早く楽にしたいと考える。

■スマート改札

曽田 昌弘(会社員、39歳)

先日、駅の改札を通ろうとしたとき、前の人がスマートウオッチをIC定期券代わりに使っているのを見た。感心したが、その動作はあまりスマートに見えなかった。左腕を体の右側にぐっと伸ばして、窮屈そうに読み取り機にかざしていた。腕時計は普通、左腕の手首に着ける。それはスマートウオッチも同様だ。

考えてみれば、改札は必ず右側に読み取り機がある。右利きの人の方が左利きより多いからだろう。ダイバーシティー(人材の多様性)の時代なのだから、右利きでも左利きでも使いやすい改札があっていいのではないか。それはスマートウオッチユーザーにとってもスムーズな改札になる。

と、ここまで考えて立ち止まった。いや、そもそも読み取り機にかざす動作の要らない改札こそスマートだ。ほかには何もせず、ただ通るだけの改札。その改札機の可動部分は当然、精度の高いベアリングでスムーズに動いてほしい。

【以上が紙面掲載のアイデア】

■シニアと企業のマッチング

佐々木真美(会社員、25歳)

人生100年時代と言われる中、定年後も働きたいと考える高齢者は今後も増加するだろう。少子高齢化で労働力不足が深刻化する日本において、シニア世代の活躍は不可欠だろう。しかし、シニアの就業には体力や知能、就労意欲といったギャップがあり、企業はそのギャップに応じたサポートが必要になる。そこで、定年を迎えて再就業を目指す高齢者の個々の能力を人工知能(AI)が分析し、適した企業をマッチングするサービスがあればどうだろうか。就労意欲とパソコンスキルもあるが体力に自信がない人は、事務の仕事を募集している企業とマッチングし、企業には在宅勤務やビデオ会議システムを導入しシニアの就労をサポートする。将来、自動運転車が普及すれば、若い世代は在宅勤務をして子育てをしながら、高齢者が外回りをするような役割分担も可能になるのではないか。若者とシニアが支え合う社会を実現したい。

■センサーがもたらす「非接触の動き」

増野秀夫(自営業、63歳)

通勤電車内で「非接触性動物」といわれる人間が他人と体を密着させあう。こうした事態から解放されたいと考えた。実社会の様々な情報を測定、収集するセンサーを使って「非接触の動き」を加速させる。たとえば安眠。非接触型センサーで集めた睡眠情報を生体情報、環境情報と統合し、SNS(交流サイト)などの情報過多による交感神経の過緊張、高齢に伴う睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害の増加に対応する。センサーによって集計、解析される睡眠情報から自動的に睡眠時間の改善を行う「安眠商品」の研究開発が進むだろう。さらに接触型から非接触型、意識の計測から無意識の計測ができるセンサーへと技術革新が進んでいけば、効率的な検診も可能になる。睡眠障害による過剰な眠気、集中力低下による生活の質や仕事効率の低下、労働災害や交通事故の増加が抑えられ、社会は安定するはずだ。

■上手に「自己中」になる

矢頭 俊也(会社員、33)

日本には他人の顔色をうかがう人が多い。これを禁止する条例をつくろう!自分のやりたいことを徹底的にやる。やりたいことだったら、活力もみなぎるし、やり遂げられるはず。「自己中」と言ってもいいが、間違えてはならないことがある。大きい視野で物事をとらえ、他人を利する必要があるということだ。人の嫌がることをやることではない。

自分のやりたいことに取り組むことで、結果的に人間力も高まる。嫌いな人と接することだって耐えられる。やりたいことをやって活力が生まれれば、その人の周囲には人やスポンサーが集まる。やりたい仕事に転職したとしても、年収は勝手についてくるだろう。

上手に「自己中」になれば、幸福度は増す。そんな人が日本にあふれたらどうなるだろうか。想像しただけでもワクワクする。世界に羽ばたいている日本人が帰ってくる。日本の人口も国内総生産も増える。社会をスムーズにするために「自己中」になり、他人を利することができれば、日本はさらに面白くなる。

■元気な高齢化社会を引っ張る力

細見 勝(会社員、46)

摩擦を極限まで軽減するベアリングが、医療の分野で活躍する未来を考えた。医学が進歩し、様々な新薬の開発、早期発見で不治の病といわれたがんも治る時代となった。人生100年時代を迎えるにあたり、元気で楽しく暮らしていける未来を考えたときに、自分の足で立って、歩いて過ごすことができる未来を実現したい。現状においては、加齢に伴う筋肉や骨の衰え、関節の痛みなど、様々な課題がお年寄りの日常生活に支障をきたしている。この現状を大きく変える役割を、ベアリングの未来に期待したい。

医学の進歩で解決していく課題もあるだろうが、その先の医療分野で新たな人工関節の開発、普及につなげてもらいたい。関節の可動をサポートする機能などが普及すれば、お年寄りの活動も活発になり、引きこもりや認知症、うつ病等の軽減にもつながるのではないか。お年寄りの生活を支えながら、誰もが元気で暮らせる高齢化社会を引っ張ってもらいたい。

■組み合わせで社会の摩擦を減らす

泉沢俊(駒沢大学グローバル・メディア・スタディーズ学部4年、22歳)

社会をスムーズにするものは健康だ。世界に比べて日本人の仕事は負荷が多いと見られがちだ。健康に働くためには仕組みを変えなくてはならない。睡眠時間と勤務時間を連動させるのはどうか。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を活用して脳波を分析し、睡眠時間を計測。当日の睡眠時間でその日の勤務時間が決まる。睡眠時間を確実に確保することで勤務中の集中力の向上、業務の記憶の定着を見込むことができ、さばけなかった仕事は人工知能(AI)の導入、自動化で補完する。給料を上げるには睡眠時間を増やすか限られた時間を有効に使うことが必要になる。この仕組みが社会をスムーズにするにつながるのではないだろうか。我々はモノが豊かな時代に生きている。求められているのはモノ同士を組み合わせ新たな価値をつくることだ。物理的に組み合わせて摩擦を減らすだけではなく、見えない仕組み同士を掛け合わせ、変化させることも必要かもしれない。

■グローバル化が進む社会をスムーズに

佐伯実咲(産業能率大学経営学部2年、20歳)

社会をスムーズにするために必要な新しい働きは、翻訳機械の進化であると考える。国境を超えたグローバル化が進む中、「世界共通語」とされる英語だけでなく中国語など他にもたくさんの言語がある。いくら英語を真剣に勉強してもスムーズに使いこなすまでにはそこそこの時間が必要である。それに加えてもう一つ言語を学ぶとなるとより大変だ。翻訳機械がより高度に進化すれば、よりたくさんの国の人とコミュニケーションがとれ、視野を広げることができるようになるはずだ。多様な文化を受け入れて、その中でコミュニケーションをとることによって、より新しい考えを得ることができるのではないだろうか。その結果、社会をスムーズにすることができるだろうと私は感じた。

■風鈴のような風力発電機

下越幸二(会社員、53歳)

今年は台風の被害が甚大で、特に15号は千葉県を中心に大きな被害をもたらしました。私は災害ボランティアに参加し屋根へのビニールシート張りの手伝いを行いましたが、被災地が困っているのは屋根だけではありません。一番は停電です。停電により水も出なければガスも携帯電話も使えない状況でした。改めて電気中心に生活が成り立っていることを実感しました。家庭で使えるわずかな電力さえあれば、最低限の生活ができるのですが、災害は最低限の生活環境さえも吹き飛ばします。安価で小さく静かな家庭用の風力発電を開発できないでしょうか?軸受けの高い技術を利用しどんな環境でも長く回り続ける小型風力発電システムの開発を行ってほしいです。かつてどの家にもつるしてあった風鈴のような風力発電システムがあったら日本が世界をリードするエネルギー先進国になれると思います。

■ストレス時間を減らす

倉崎朗(東洋大学経済学部3年、20歳)

働いたり、学んだりするために職場や学校にいる必要があるのだろうか。朝の通勤・通学ラッシュや移動時の重い荷物など、移動はストレスの原因にあふれていると感じる。私が学校で授業を受けている時も、学生の意見や質問が届かないような大講義は意味があるのだろうかと感じる。自宅での勤務や、授業の遠隔配信が当たり前になると、社会はよりスムーズになると考える。例えば通勤、通学が週3日くらいになれば、趣味や運動に使える時間が増える。ストレスの低減による人身事故の減少や、運動量が増えて健康になることにより、色々な意味でスムーズになると考える。職場で働き、学校で学ぶ姿が当たり前という状態から脱却し、好きなように働き、学ぶことができる社会になって欲しい。

■ボランティアの拡大

松井俊治(会社員、39歳)

自然災害時の復旧やスポーツ大会運営のサポートで、ボランティアの活躍はもはや無視できないものとなっている。しかし、日本では欧米に比べて社会的に評価されるシステムがないためか、実際にボランティアをしたことのある人の割合は低く、「お金にならない」活動はなお敬遠されがちだ。ボランティアの存在価値はもっと広く認められるべきだと考える。インターネットが急速に浸透し人間関係が希薄化しつつある昨今、ボランティアは新たな人的ネットワークを構築する機会にもなっている。大地震・台風による甚大な被害に対して行政だけの対応では限界がある。また行政による支援という「上からの支援」に抵抗感がある人も少なくないようである。そのような中で、市民によるボランティアは被災者と行政の間を埋める潤滑油になっている。ボランティアのやりがいや楽しさを共有できれば、ボランティア人口が増加し、より一層社会を円滑化できるはずだ。

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