「かつてない監視国家」 米副大統領、中国を批判

2019/10/25 1:33 (2019/10/25 5:11更新)
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【ワシントン=永沢毅】ペンス米副大統領は24日、対中国政策についてワシントン市内で演説した。経済、軍事など多くの面で中国の挑発的な行動に改善がみられず「より攻撃的になっている」と述べ、行動の是正を要求した。6月から続く香港の大規模デモに関して「私たちは香港の人々とともにある」と擁護する姿勢を示し、中国政府に人権の尊重を求めた。

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中国が「かつてない監視国家を構築している」と主張し、新疆ウイグル自治区でのイスラム教徒らの拘束などを糾弾した。アフリカや中東諸国などに類似の監視技術を輸出していると指摘した。

ペンス氏が対中関係で包括的な演説に臨むのは2018年10月以来。24日の演説では、トランプ政権の公約の柱である貿易不均衡の是正に関しては「中国が改善に向けた意味ある行動をまだとっていない」と批判した。南シナ海の軍事拠点化など軍事面でも「ますます挑発的になっている」と断じ、前回と同じく強いトーンで批判した。

演説では、表現の自由や民主主義より中国でのビジネスを優先する米国企業にも批判の矛先を向けた。スポーツ用品大手のナイキを名指しして「米企業は米国の価値のために立ち上がるべきだ」と主張した。

米プロバスケットボール(NBA)の人気チーム「ヒューストン・ロケッツ」のゼネラルマネジャー(GM)の香港デモ支持のツイートに中国が反発したのを受け、ロケッツ関連の商品を同国の店舗から撤去したナイキを非難した。NBAも「独裁政権の傘下にある組織のように振る舞っている」と同列に断じた。

ペンス氏は「中国の発展を抑えこむつもりはなく、建設的な関係を求めている」とも説明した。中国との経済関係を切り離す「デカップリング(分離)」は考えていないとしながらも、その関係は「公正かつ相互に尊重し、国際ルールに沿った形をめざす」と訴えた。

香港については「抗議する人たちへの暴力に訴えれば、貿易交渉を妥結するのは一段と困難になる」と中国の干渉を強くけん制した。台湾への圧力も非難し、「米国は台湾の民主主義が、全ての中国人にとってより良い道を示しているといつも信じている」と民主化の必要性を強調した。中国が米国に世論操作を試みているとして、警戒感をあらわにした。

ペンス氏は前回の演説で中国への強硬な姿勢を示し、猛反発を招いた。ペンス氏は今年6月に予定していた対中政策の演説を見送り、その内容に注目が集まっていた。

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