英首相、12月12日総選挙を提案 野党の出方焦点に

2019/10/25 1:30 (2019/10/25 3:37更新)
保存
共有
印刷
その他

【ロンドン=中島裕介】ジョンソン英首相は24日、10月末の期限通りの欧州連合(EU)離脱が難しくなったと判断し、打開のため議会下院を解散し、12月12日投票で総選挙を実施する意向を表明した。近く動議を提出し、28日に採決する見通しだ。解散には下院総議員の3分の2以上が同意しなければならない。最大野党・労働党のコービン党首は早期の総選挙になお慎重で、動議が通るかどうかは不透明だ。

離脱を巡っては、22日の英議会で英国とEUが合意した新たな離脱協定案の施行に必要な関連法案の骨格を可決した。だが、24日までに法案を成立させるというスピード審議を求めた提案は否決された。月内に関連法が成立すれば公約の10月末離脱が実現するところだったが、22日の採決結果で事実上頓挫した。

【関連記事】
企業、混乱警戒解けず 見えぬ英離脱延期の道筋
EU離脱「10月末」厳しく 英議会、関連法案には賛成
EU、英離脱の延期容認へ 加盟国には「短期」案も
全部わかるブレグジット 英国はどこへ

12月12日投票の総選挙を求めるジョンソン氏の提案は、英が申請した離脱延期をEUが認めることが前提になっている。まずは短期間の延期で関連法案を成立させ、EU離脱の道筋をつけたうえでの選挙実施を狙う。

ジョンソン氏は24日、コービン氏にあてた書簡で12月12日から逆算すると、11月6日まで法案の審議期間を確保できると指摘した。「金曜日や週末も含めて関連法案の審議や採決にあてる」との考えも示し、審議の時間は十分だと強調した。

書簡では労働党が法案審議を拒否したり、6日までに関連法案が成立しなかったりした場合にも選挙を実施する方針を示した。その場合、総選挙の焦点は、EUと合意したジョンソン氏の離脱案か、労働党の離脱案かの選択になると訴えた。

ただ、ジョンソン氏が下院の総議員の3分の2の賛成を集められるかどうかは見通せない。与党は下院で過半数を割っており、ジョンソン氏が9月に解散総選挙を2回提案した際にも必要な賛成票が集まらなかった。

労働党は「離脱が延期され、合意なき離脱が除去されれば総選挙に応じる」方針だったが、支持率が低迷しており現段階での選挙に慎重な意見も多い。ジョンソン氏が示している約10日間は法案審議の時間としては長くない。野党の出方次第ではジョンソン氏の計画は頓挫しかねない。

英議会は24日、エリザベス女王が14日に読み上げたジョンソン政権の施政方針も採決し、与党・保守党などの賛成多数で可決した。

国内外の編集者が執筆するニューズレターを平日毎日配信しています。「世界のいま」がつかめ、ビジネスや就活に役立ちます。登録はこちら(電子版有料会員限定)。https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?me=S001&n_cid=BREFT038
保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]