ハンセン病の家族救済 最高180万円で最終合意

2019/10/24 20:13
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国の敗訴が確定したハンセン病家族訴訟で、超党派の議員懇談会は24日、原告以外も含めた元患者家族の補償案について最終合意した。続き柄によって1人当たり180万~130万円を支払い、訴訟で賠償を認められなかった2002年以降の被害者や既に死亡した原告も対象にする。開催中の臨時国会に議員立法で法案を提出する。

政府が控訴せず、7月に確定した熊本地裁判決の賠償額は1人当たりそれぞれ元患者の親子と配偶者に130万円、きょうだいに50万円、おい、めい、孫に30万円(いずれも弁護士費用を除く)だった。

一方、補償案では親子と配偶者、子の配偶者らに180万円、きょうだいに130万円を支払う。その他の親族は元患者との同居を条件に130万円を支払う。おい、めい、孫のほか、原告団にはいなかったひ孫、おじとおば、祖父母、きょうだいの配偶者らも対象にした。

また判決では1972年以前の米国統治下の沖縄県での被害分は減額。国がハンセン病に関する啓発活動を進めた2002年以降の被害は国の賠償責任が否定されたが、補償案は場所や時期により補償額に差を設けない。厚労省の現時点での試算では、救済対象は2万~3万人とみられる。

補償など救済策を盛り込む新法案の前文には、「国会」と「政府」を主語として家族が受けた偏見や差別について家族に謝罪する。当初案では元患者本人の救済法と同様に主語が「我ら」となっていたが、原告団からの「国の責任が曖昧になる」との批判を受けて修正した。

新法は原則生存している家族を対象とするが、訴訟中に死亡した約20人の原告は特例で救済対象とする。省令で救済方針を記載し、生存者と同等額の一時金を支払う。国の救済策が死亡した人を対象にするのは異例だ。

林力原告団長は「ようやくこの日を迎えることができた」と歓迎。「ハンセン病の差別、偏見を巡る教育啓発の問題を考えるきっかけにしてほしい」と話した。

原告団は7月から厚生労働省と救済策に関する協議を進めてきた。厚労省が示した180万~130万円の補償額に難色を示していたが、さらに上積みを要求すれば交渉が決裂する恐れがあったことから、今月18日に受け入れを表明。その後は死亡原告の取り扱いなどを議員懇談会が設けた作業部会が検討してきた。

原告団は厚労省、文部科学省、法務省と今後の差別や偏見を取り除くための啓発活動についても協議を進めている。

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