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サクラエビ秋漁、2年ぶり水揚げ 市場に熱気

駿河湾特産のサクラエビの秋漁が解禁日の23日夕に始まり、初日は約2.5トンが水揚げされた。24日早朝、由比漁港と大井川港で初セリがあり、秋漁で2年ぶりとなる水揚げに市場は熱気にあふれた。もっとも資源回復に向けた自主規制に加えて魚影も薄いことから、安定供給への道のりはなお遠い。買い支える仲買人らの「体力」の限界もうかがえた。

23日は大井川港から約40隻が出港。産卵を終えた1歳エビ(体長35ミリメートル以上)の割合が多かった焼津沖から相良沖で操業した。水揚げ量は2年前の初日の3割程度だが、由比港漁協の宮原淳一組合長は「前年は(一度も水揚げしない)苦しい決断をしたが、資源回復に向けた努力が今秋漁に結びついた」と話した。

サクラエビのセリは15キログラム入りのケース単位で価格を決めている。24日の由比漁港での平均価格は2年前の2.1倍の1ケース9万2540円。最高値は12万4000円だった。一方、普通は春漁の終わりごろに出る、産卵を控えた「頭黒」と呼ぶ個体も多く、見た目からディスカウントされるケースもあり、価格帯には幅が出た。

静岡市の鮮魚店、マルカイ呉服町店は、24日午前11時過ぎに入荷したサクラエビを80グラム1000円で販売した。安くはないが、話を聞きつけた常連客らが立て続けに買い求めたという。店長は「客の期待は大きい。安定的に販売していければ」と話す。

サクラエビを巡っては2018年春漁以降、記録的不漁が続く。危機感を持った漁業者は同年秋漁から自主的な漁獲規制を導入。「捕りながら増やす」方針を掲げた。規制を順守した結果、同年秋漁は水揚げゼロ。19年春漁も自主規制を敷き、水揚げ量は85トンと史上最低水準に落ち込んだ。

19年秋漁では、新たに海域別の漁獲基準を導入した。駿河湾を湾奥、湾中部、湾南部の3つに分け、資源に影響しない1歳エビの割合がそれぞれ75%、50%、30%以上なければ捕らないことにした。若いエビを温存しつつ、漁業という経済活動を両立できるようにする狙いだ。夏場の産卵期に生まれた卵が史上最多と推定されるなど、足元では資源回復に向けた好材料も出ている。

ただ湾外に流出しやすい湾南部に卵が多く、主産卵場とされる湾奥に少ないのは気がかりだ。資源調査でも魚影が薄いことから、楽観できない状況はなお続いている。

「サクラエビ経済圏」を構成する仲買人や加工業者の「体力」が次第に落ちていることも懸念される。18年の不漁以降、事業継続を断念した業者も出た。

ある仲買人は「価格高騰で仕入れても売ろうに売れない」と漏らす。加工業者の1人は「できるだけ多く買い付けて供給したいが、資金繰りの問題もある」とこぼした。

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