ラグビー効果横浜に ビール好調、ホテルも外国客増 - 日本経済新聞
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ラグビー効果横浜に ビール好調、ホテルも外国客増

ラグビーワールドカップ(W杯)による経済効果が横浜市で広がっている。大会スポンサー「ハイネケン」を生産するキリンビール横浜工場は想定以上の増産となっており、飲食店では通常の10倍ビールが売れた店もある。試合会場に近いホテルは外国人の宿泊者が増加。大会期間が長いうえ、富裕層が多いとされる外国のラグビーファンが好況をもたらしている。

「ハイネケン」の国内製造を一手に担うキリンビール横浜工場(横浜市)では、9月の製造量が前年同月比で3.5倍に拡大した。大会前は2.5倍程度と見込んでいたが、同社の担当者は想定以上の伸びに「見たことのない数字」と驚く。

横浜工場は8月ごろから、製造時間を増やしてフル稼働で増産に対応している。普段は同社主力の「一番搾り」などを担当している社員も期間限定でハイネケン製造に充てた。10月も前年比2.6倍の増産を予定しているという。

飲食店でも過去にない売り上げとなった店舗がある。試合会場の横浜国際総合競技場に近い英国風パブの「ハブ」新横浜店では試合開催日、ビールの売り上げが通常の10倍にも上ったという。試合前後に外国人客が多く集まっている。他店舗でもパブリックビューイング代わりに多くの客が訪れている。

好影響は競技場周辺ホテルにも出ている。新横浜プリンスホテル(横浜市)では期間中の宿泊者の外国人比率が約3割と、通常時から1割高まったほか、客室単価も例年より3割高いという。ホテルの宴会場で実施しているパブリックビューイングも盛況で、決勝・準決勝時も追加開催を決めた。

みなとみらいのファンゾーンも好調だ。9月のニュージーランド対南アフリカ戦には1万6800人が来場。その6~7割が外国人客だったという。飲食ブースからは「同じ人数でも外国人は売れる量が違う」との声が出ている。多数の来場者が詰めかけた日本戦では入場規制も行われた。

効果は試合会場周辺やファンゾーンにとどまらない。横浜国際総合競技場への交通アクセスが良く、横浜中華街なども近い関内駅周辺では外国人客が多く見られた。酒屋で購入し、ホテルに持ち帰る観光客もいたという。

ただ、やきとりなど一人前の量が分かりにくかったのか、関内駅近くの一部の居酒屋からは「外国人は意外と注文数が少なかった」という声もあった。この店には外国語表記のメニューがあったが、あまり効果はなかったという。東京五輪・パラリンピックに向け、訪日外国人向けの対応には改善の余地がありそうだ。

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