北陸新幹線25日全線再開へ、BCP対策が焦点に

台風19号
2019/10/24 18:55
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JR東日本は、25日から全線で直通運転が再開される北陸新幹線の臨時ダイヤを発表した。台風19号による長野・千曲川の氾濫で車両が10編成水没したため、運行本数が減る。東京―金沢間の1日あたりの運行本数は、上下で48本から46本と2本分減る。東京―長野間は34本から23本と11本分、金沢―富山間は36本から35本と1本分減る。臨時ダイヤは当面適用する。

水が引いた後の車両基地に並ぶ北陸新幹線(14日、長野市)

臨時ダイヤでは、東京―金沢間で通常時の9割、北陸新幹線全体では8割程度の運行となる。JR東によると、北陸新幹線の平均乗車率は6割程度。運行本数が減っても、座席には少し余裕がありそうだ。紅葉などの観光シーズンを前に北陸と首都圏の足が回復する。

ただし年末年始といった乗客が増える時期には今の供給では不十分。JR東では今後、運行本数を回復させるために新造車両の投入なども検討している。臨時ダイヤの指定席券の販売は24日から実施する。

台風19号の影響で北陸新幹線は車両全体の3分の1にあたる10編成が水没した。水没車両は電気系統などに被害があると見られるが、正確な状況は分かっておらず運行再開の見通しは立っていない。当面は残りの20編成分で運行。水没車両を全て置き換えるには約290億円かかる計算だ。

今後も台風や豪雨のリスクが高まるなか、事業継続計画(BCP)の見直しが焦点となる。水没した長野市の車両基地は市のハザードマップで浸水が予想されていたが、当初は台風の進路から外れており、避難勧告の対象地域になっていなかった。そのために車両の退避はしなかった。

一方で台風が直撃する恐れがあった東北新幹線の車両基地(栃木県那須塩原市)は、8編成分を仙台や上野などに退避させた。同車両基地は台風の被害はなかったが、リスクを勘案しての判断だった。

JR東海や西日本も台風時の車両の浸水リスクを懸念する。JR東海は台風15、19号では沿線の被害はなかった。ただJR東の車両浸水を受けて今後は事前退避も含め「適切な対応をできるように備えたい」(金子慎社長)とする。JR西も沿線のハザードマップを改めて洗い出し、まずは災害時の新幹線の車両退避マニュアルが作れないか検討を始めた。

(長尾里穂、吉田啓悟)

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