九州中小運送事業者が共同組織 コスト減、一括受注も - 日本経済新聞
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九州中小運送事業者が共同組織 コスト減、一括受注も

九州に拠点を置く中小の運送会社11社は、中小や個人の運送事業者らが加盟する共同組織を立ち上げた。タイヤやガソリンなどを共同購入してコストを下げるほか、集配送業務を一括受注して安定的に仕事が得られることを目指す。消費者の手元に荷物を届ける「ラストワンマイル」を担うことが多い中小個人事業者の経営を強化し、従業員や新規参入者を増やして人手不足の緩和を狙う。

1日に業務を始めたのは、一般社団法人「ラストワンマイルドライバーズ」(福岡市)。設立に先立ち、ファンタジスタプロダクション(同)など11社が連携して8月から会員の募集を始め、現在は個人の運送事業者を中心に約1000人が加入している。

会員は月額1000円程度の会費を払うことでけがや入院を保障する保険に加入できるほか、タイヤ、ガソリン、バッテリーといったクルマの消耗品などを割安で購入できる。経費を抑えることで利益を増やし、経営拡大につなげることを目指す。併せて、ホテル料金の割引などの福利厚生も受けられるようにする。

同団体は今後、集配送業務の一括受注も進めていく方針だ。営業力が弱い小規模事業者は、仕事を安定して得ることが難しい。集まって一括して請け負うことで、継続して仕事を得られるようにする。さらに小規模運送事業者同士を結ぶことで、新たな物流網を構築することも目指す。

2018年度の宅配便の荷物数はインターネット通販の拡大から43億個を超え、4年連続で過去最高を更新している。急増する需要を背景に、運送事業者も拡大傾向にある。九州運輸局によると、17年の九州の軽輸送業者が保有する車両数は2万5千台と過去30年間で倍増している。

ただ「個人の運送事業者は多くの問題に直面している」(ラストワンマイルドライバーズの古森敬三会長)。燃料費や車両の修理費などが自己負担になるほか、十分な福利厚生を受けられないことが多いためだ。このため「開業しても継続的に事業を続けられる人は少ないのが現状」(同)だという。

新団体を通じて仕事を増やし、事業者・従業員の福利厚生を充実させることで、新規に参入する事業者や従業員を増やす。「宅配クライシス」と呼ばれる人手不足の緩和をねらう。

九州以外でも中小の運送会社が企業連合を組んで宅配サービスを提供する取り組みが広がっている。18年には関東を中心に23社の配送企業がラストワンマイル協同組合(東京都府中市)を発足した。古森氏は「個人の運送業者の負担を軽減することが、安定的な物流需要を支える」と指摘する。(荒木望)

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