農水省所管のダムなど管理施設、5割が「耐震不十分」

2019/10/24 17:18
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農林水産省所管のダムや用水路の取水施設を遠隔操作する管理施設について、会計検査院が調べた結果、施設内の電気設備より建物自体の耐震性が劣っているケースが検査対象の5割に上ることが分かった。検査院は「建物の崩落によりダムなどが制御できず、水害を招く恐れがある」として農林水産省に対策を講じるよう求めた。

ダムと用水路の取水施設は、管理施設で水門を遠隔操作して水位を調整している。農水省は電気設備について3段階の区分のうち、耐震性が最も高い機器を採用するよう各地の農政局などに周知している。

一方、管理施設については「建築基準法より厳しい基準の耐震性」を求めるが、具体的な設計方法を定めていない。このため検査院は2015年度~18年度に電気設備を新設、更新した計43施設の設計書などを精査し、被災時に機能不全に陥るリスクがある場所がないか調べた。

検査の結果、実際に建築基準法より厳しい基準で設計された施設は43施設のうち5カ所だった。

一方、同法が定める基準と同じ程度の施設は検査対象の53%に当たる23カ所だった。このほか15カ所で「設計書が保存されていない」などとして、耐震性が検証できない事態に陥っていた。

北陸農政局は18年度、笹ケ峰ダム(新潟県妙高市)を遠隔操作する設備について、約6億4500万円を投じ更新した。

しかし1977年に建てられた管理施設の耐震性能は診断されず、建物の補強工事も行っていなかった。検査院は「管理施設が被災した場合、ダムの取水量を管理する施設が稼働できなくなる恐れがある」と指摘する。

検査院は▽大地震が起きた際の2次被害を防ぐために管理施設が十分な耐震性を得られるよう対策を練る、▽各地の農政局などに建物の耐震性を確認することを徹底させる――といった対策を農水省に求めた。

農水省は「管理施設の耐震設計上の取り扱いを明確にして、農政局などに周知を徹底したい」としている。

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